1.
漫画って恐ろしいですよね。やればやるほど執念が濃くなる。なぜそこまで人を引きずり込むのか、漫画というものはっていうね。
浦沢直樹
2.
大きな嘘をついて、細かいところはものすごく現実を突き詰める。それが僕ら漫画家のあるべき姿のような気がする。
浦沢直樹
3.
「ここ描きたくない」とか「ここつまらない」となったら、それは絶対に読者もつまらないんだから。すべての絵を描きたい絵にすることで、読者もすべてのコマが楽しくなる。
浦沢直樹
4.
僕らが何でこんなにずっと描いているのかって、上手くなりたいだけなんですよ。
浦沢直樹
5.
誰かが描いたものは、もう自分が描く意味がないので、せっかくこの白い紙に何かを描くんだったら、まだ誰も描いたことがないものを描きたいという願望はある。
浦沢直樹
6.
わかりやすいものっていうのは人前でわざわざやらなくてもいいじゃんと思っているところもあります。人々がわかりきっているものを提示するのは面白くないですから。「これなに!?」っていうものを提示し続けたいです。
浦沢直樹
7.
「タダで見る」ってことがどうしても、しっくりこないんですよね。昔は漫画は憧れの対象で、背伸びして一所懸命、手に入れるものだったのに。映画にせよ、音楽にせよ、事情は同じだったはずなんですよね。それがタダになると、憧れもへったくれもなくなっちゃう。
浦沢直樹
8.
一流の人と自分を比較し、焦りを感じる人も多いでしょう。そんなときは、彼らの新人時代を追体験してみることをおすすめします。彼らも試行錯誤しながら成長していったことを知れば、一流の人にも臆する気持ちがなくなります。
浦沢直樹
9.
自分では絶対にこれは無理だというような完成形を一番最初に頭に思い浮かべること。完成形が頭にあればそこに辿り着くにはどうしたらいいかという逆算になるので明日に向かって踏み出す一歩は圧倒的に変わるはず。
浦沢直樹
10.
物語を面白くするためにはどんな努力でもします。面白いと納得するまで妥協はしません。もともと仕事ではなく、遊びで始めた漫画です。遊びに妥協なんてありませんよ。
浦沢直樹
11.
つまんなくなっちゃうのよ、思い通りになっちゃうと。思い通りにならないというか、ドラマが勝手にアメーバのように動き出す方が、描いていて面白い。
浦沢直樹
12.
漫画はいい読者がいて初めて成立するものなんです。
浦沢直樹
13.
7年や8年、長いこと連載が続く状態で、最初に考えたことを貫徹するのは、すごく立派な感じがしますが、飽きると思います。作り手が飽きちゃった作品は、絶対におもしろくないです。
浦沢直樹
14.
若い頃は暴走してわかる人にだけわかればいいみたいな考えだったときもありますが、より多くの人に届けるのってすごく重要なんじゃないかと考え方に変化しましたね。あとは本当に良い物を作れば多くの人が振り向いてくれると思ってます。
浦沢直樹
15.
「次に描くのが最高傑作のはずなんだよ」とやる以外ない。
浦沢直樹
16.
ネット通販のように「あなたはこれが好きでしょう」とレコメンドしてくる世界に危機感を覚えます。新たな世界と出合う可能性をどんどん狭めている気がするからです。
浦沢直樹
17.
結局、何を描いてもいい、僕らの自由だから。その中での正解探しは、本当に大変ですよね。
浦沢直樹
18.
読者を喜ばせたいとか、「うわっ」と言わせたいとか、ドキドキさせたいとか、「そのためだったら命をどのくらい削ってもいいわ」って、そういうことなんじゃないかなと思うんですよ。
浦沢直樹
19.
自分の心が動くことを、形にはめないこと。
浦沢直樹
20.
『Happy!』は大好きな作品なんです。それは、自分の中で「これだったら描きたい」と思えるものを描いたから。
浦沢直樹
21.
僕に「描け、描け!」と常に言ってくるのは、中学2年生の時の自分なんです。下手なものを描くとすごく怒るのも、そのウラサワ少年。
浦沢直樹