1.
僕は小説を書くためにうまれたようなものだ
山田風太郎
2.
この世には、まったくの脇役という人間は存在しない。すべての人が主人公で、すべての人が脇役だ
山田風太郎
3.
僕は威張るのも嫌いだが威張られるのも嫌いでね
山田風太郎
4.
自分の死は地球より重い。他人の死はイヌの死より軽い
山田風太郎
5.
この地上で無限の虫たちが草葉の陰で死んでいくが、実は自分だってその虫ケラの一匹と同様なのである。
山田風太郎
6.
僕は書いてしまったら後は知らない。どう評価されるか全く気にしない
山田風太郎
7.
本というのは「面白くてためになる」が、昔の講談社の宣伝文句だったけど、僕のはためにならない
山田風太郎
8.
谷崎潤一郎くらいの作品なら、すぐ書けるサ
山田風太郎
9.
身体虚弱の為か、天性の冷淡児の為か、全く所謂青春の青春たる所以に興味がない。その癖夢はある。若者らしい夢はある。どんな夢かと云うと、人に夢を見せる夢である。美と壮の融合せる一大伝奇(ロマン)を空想して、人々をして手に汗を握らせようと云う夢である
山田風太郎
10.
(性とは)滑稽なもんだという意識、それだけですね。組んずほぐれつだから
山田風太郎
11.
ぼくは子供の頃から列外だった。青年になっても列外。いまも列外
山田風太郎
12.
いまわの際にいうべき一言もなし
山田風太郎
13.
人生(老い)とは幻想が醒めていく課程である
山田風太郎
14.
無駄な抵抗はやめよ
山田風太郎
15.
自分と他人との差は一歩だ。しかし人は永遠に他人になることは出来ない。自分と死者との差は無限だ。しかし人は今の今死者になることも出来る
山田風太郎
16.
人生の大事は大半必然に来る。しかるに人生の最大事たる死は大半偶然に来る
山田風太郎
17.
路傍の石が一つ水に落ちる。無数の足が忙しげに道を通り過ぎてゆく。映像にすればただ一秒
山田風太郎
18.
死をはじめて想う。それを青春という
山田風太郎
19.
神は人間を、賢愚において不平等に生み、善悪において不公平に殺す
山田風太郎
20.
人は死んで三日たてば、三百年前に死んだのと同然になる
山田風太郎
21.
文学を以て生きるというには、自分は余りにも頭が悪く、無学で、鈍感である。このことはよく自分でも承知している。過去いかに無数の青年がこの幻を夢みつつ、朝の蛍のように薄れ消えていったことか。
「常識」は自分を深い疑惑と恐怖に誘う。けれども人間が一生をかけて黙々と必死に一つのことに精進したら? と思う。何とかものになるのではあるまいかと思う。笑う者は笑え。この確信が弱々しく崩壊しないことを祈る
山田風太郎