1.
その改革は本当に人を幸せにするのか?
内橋克人
2.
技能とか技術に時間をかけて習熟し、完全に自分のものにしてから、そこに能力、あるいは独創力、創造力、そういうものを発揮していく余地が生まれてくる。それを細切れにしたら、それだけの創造力、競争力が出てくるのか。そこが一番大きな問題
内橋克人
3.
厳しい経済状況の中で、働く側の権利、というものがね。どんどん譲歩させられている
内橋克人
4.
経済政策という名の下に、競争へ競争へとかき立てられています。競争の全てを否定するわけではありませんが、一方で、日本の未来を考えた時、私たちはその逆も育てていかなければなりません。世界市場化に対抗できる主張、そして同時に運動性と事業性を両立させる必要があります。
内橋克人
5.
『働く』というのは、人間の尊厳を守る、ということ
内橋克人
6.
尊厳ある労働、ということは、国際的にも叫ばれているわけですけど、国民的な議論の場に持ち出す必要がある、そういう時期に来ている
内橋克人
7.
パートタイマーが増えますと所得が少なくなる、そうすると賃金が減るからマイホームを持てなくなるし、消費もなかなか回すことが出来ない。そうすると景気が悪くなってくる。所得が低いとですね、自ら負担するということはなかなかできませんね。マクロで見れば日本経済全体として放置していいかと、こういう問題が出てくる
内橋克人
8.
結局、勤労、働くということにね、どう報いるかというのが、その国のね、本質を物語るわけです。このままいきますとね、やっぱり生活するのに必要な最低の収入さえ得ることのできない勤労者、働く人ですね、マジョリティになる、多数派になる。貧困マジョリティ、少数派ではない、貧困者は多数派になりますよ。そんな国がどうして豊かな国だといえますか?
内橋克人
9.
どのような技術開発も、人間と地域社会が主人公
内橋克人
10.
(神戸空襲の慰霊碑が完成した際に)再び同じ犠牲者を出さないよう、いまを生きる者が心に刻む場所であるべき。集団的自衛権などが議論され、歴史の岐路に立っている
内橋克人
11.
これまでの科学は、人間の生存条件を無視しても、はるかに効率的なエネルギーを生み出すんだと言って、原発安全神話を作り出してきました。エネルギーのあり方は人間の生存そのものを決める
内橋克人
12.
人間が生きていくために大切な食料が自給できなければいけません。家畜の肥料その他も含めて、わが国が本当に生存状況を維持するための食料は、はなはだ心もとない状況
内橋克人
13.
今の社会を覆いつつある市場原理至上主義的な流れに対し、人々の連帯と参加と共生によって自給圏を形成していく。そのような共通の理解や使命感を持って、人々が立ち上がっていく時代に入った
内橋克人
14.
21世紀資本主義においてトリクルダウンはありえません。お金は、マネーゲームに使われて、地面、つまり労働者の所には落ちて来ない
内橋克人
15.
人は何のために働くのか。暮らすためです。そして暮らしがよくなってこそ、よりよく生きることができる。職がなければ人間の尊厳はなく、その報酬が悪ければ暮らしは悪くなる。すると、よりよく生きることも難しくなる
内橋克人
16.
人間とは、“生きる・働く・暮らす”の統合体
内橋克人
17.
いま行われているのは、どん底へ向けての競争。「努力した者が報われる社会を」というキャッチフレーズで正当化していますが、一人の勝者以外の人々にとっては、どん底へ向けての競争
内橋克人
18.
貧困を社会的装置として生み出す社会は、統治する者、支配する者にとって、これほど好都合なことはありません。そのからくりを知ることが必要です
内橋克人
19.
小さき者、弱きものの利益と生き抜く権利を守っていこうということです。強き者、富を持つ者の利益を優先する政治ではなく、弱き者の利益をまず優先して考えていくことが、社会の中で共有する理念として大事
内橋克人
20.
自らなすべき使命や役割、共同体としての価値観を共有する共同体です。私はこれを「使命共同体」と呼んでいます。コミュニティとは単なる地域社会ではなく、使命共同体でなければならない。
内橋克人
21.
生産条件を良くすれば良くするほど、人間の生存条件が悪くなってしまう時代に入ってきました。持続可能性をもつ社会とは、人間の生存条件を優位におき、生産条件はそれに従うという社会のこと
内橋克人