1.
すぐれた魂ほど、大きく悩む。
坂口安吾
2.
人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外に、人間を救う便利な近道はない。
坂口安吾
3.
悲しみ、苦しみは、人生の花だ。
坂口安吾
4.
人間は生きることが全部である。死ねば全てなくなる。
坂口安吾
5.
人生はつくるものだ。必然の姿などというものはない。
坂口安吾
6.
めいめいが各自の独自なそして誠実な生活を求めることが人生の目的でなくて、他の何物が人生の目的だろうか。私はただ、私自身として生きたいだけだ。
坂口安吾
7.
絶望は、愚か者の結論である。
坂口安吾
8.
古いもの退屈なものは滅びるか生まれ変わるのが当然だ
坂口安吾
9.
人間の心は苦難に対して鋼鉄の如くでは有り得ない。人間は可憐であり、脆弱であり、それ故愚かなものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる
坂口安吾
10.
親がなくとも、子が育つ、ウソです。親があっても、子が育つんだ
坂口安吾
11.
美しいもの、楽しいことを愛するのは人間の自然であり、ゼイタクや豪奢を愛し、成金は俗悪な大邸宅をつくって大いに成金趣味を発揮するが、それが万人の本性であって、毫も軽蔑すべきところはない
坂口安吾
12.
個人の自由がなければ、人生はゼロに等しい。何事も、人に押し付けてははならないのだ
坂口安吾
13.
寺があって、後に、坊主があるのではなく、坊主があって、寺があるのだ。寺が無くとも、良寛は存在する。若し、我々に仏教が必要ならば、それは坊主が必要なので、寺が必要なのではないのである。京都や奈良の古い寺がみんな焼けても、日本の伝統じゃ微動もしない
坂口安吾
14.
日本に必要なのは制度や政治の確立よりも先ず自我の確立だ。本当に愛したり欲したり悲しんだり憎しんだり、自分自身の偽らぬ本心を見つめ、魂の慟哭によく耳を傾けることが必要なだけだ。自我の確立のないところに、真実の同義や義務や責任の自覚は生まれない
坂口安吾
15.
女の人は秘密が多い。男が何の秘密も意識せず過ごしている同じ生活の中に、女の人は色々の微妙な秘密を見つけ出して生活しているものである
坂口安吾
16.
あらゆる自由が許された時に、人ははじめて自らの限定とその不自由さに気づくであろう。
坂口安吾
17.
苦しめ、そして、苦しむのだ。それが人間の当然の生活なのだから
坂口安吾
18.
残虐なのは戦争自体であって、原子爆弾には限らない。戦争と切り離して原子爆弾一つの残虐性を云々するのが不思議ではないか
坂口安吾
19.
職業というものは尊いものだ。なぜなら、そこにその人の一生が賭けられ、生活が賭けられているからだ。金銭もかけられている。だから尊いので、金銭のかからないものは尊くない
坂口安吾
20.
私は弱者よりも強者を選ぶ。積極的な生き方を選ぶ。
坂口安吾
21.
私は、ねむるようにして、いつでも死ねる。ねむることと、死ぬこととが、もう実際にケジメが見えなくなってしまった
坂口安吾