1.
人間が表現するということ、つまり、自分の中にあるものを、形のあるものにして、表に出していくということは、人間にとって、一番人間らしいことではないか
大江健三郎
2.
自分たちは人間なんだから、人間のやることとして、それが、いい方向に行くと信じて、そのことを心から望んで、できるだけのことをする
大江健三郎
3.
人間には回復する力がある。だから、それを信じなきゃいけない
大江健三郎
4.
僕が話すことの原理は、おとなと子どもはつながっている、続いているということです。子どものときの自分につながっていることで、過去につながっているし、これからの子どもにつながっていることで、未来に、つまり人類の全体の歴史につながっているということです
大江健三郎
5.
人間を見る目の力が本当に強い人は、被爆という、人間の悲惨な傷痕を撮っても、ある人間らしさを表現することができる。しかもそこには、その人がその悲惨から回復し、立ち直って、新しい人生を生きようとしていられる、その見事さというものも表現されている。
大江健三郎
6.
文学は、人間を根本から励ますものでなければならないと思います
大江健三郎
7.
たとえ、問題がすっかり解決しなかったとしても、じっと考える時間を持ったということは、後で思い出すたびに意味があったことがわかります
大江健三郎
8.
一方的な選択を過去から現在、そして未来へ持続していこうとする一貫性が、その人間の人格ということになる
大江健三郎
9.
僕には希望を持ったり、絶望したりしている暇がない。
大江健三郎
10.
癒されたので小説を書くのをやめます。
大江健三郎
11.
教わって「知る」、それを自分で使えるようになるのが「分かる」。そのように深めるうち、初めての難しいことも自力で突破できるようになる。それが「さとる」ということ。
大江健三郎
12.
もう取り返しがつかないことをしなければならない、と思いつめたら、その時、「ある時間、待ってみる力」をふるい起す
大江健三郎
13.
見る前に跳べ。
大江健三郎
14.
将来の日本人は誇りが持てないと言っているのは大人ですよ
大江健三郎
15.
いま世界中に、大人になれずに死んでいく子どもは非常に多い。それは驚くべき数です。その代わりに生きているんだという自覚は、日本の子どもに必要だと思いますね。それは、「なぜ、生きるか」という考え方の根本をなす条件だと思います
大江健三郎
16.
絶望しすぎず、希望ももち過ぎず。
大江健三郎
17.
未来を耐えやすいものにする唯一の方法は、おそらく過去の時代の人間を人間的にしていた、思いやりと正義を身につけて、未来に向かってゆくことなのだ。
大江健三郎
18.
家庭とは、ほんとうに私たちが安心して失敗することのできる場所。失敗しても、それで迷惑をかけた相手に憎まれないというか、その上であらためてお互いに和解し合うことのできる場所、その基本的なモデルです。
大江健三郎
19.
人はなぜ「出来はしまいが」と明瞭に自覚しながらも、旅に出るのか。僥倖(ぎょうこう)がおこって「出来はしまいが」と思っていたことを達成せしめるかもしれないという、幻を抱いて旅に出るのか。そうではあるまい。
僥倖を望むような人間は、じつは旅に出ることはないのである。
大江健三郎
20.
僕の原点はどうしても戦後民主主義です
大江健三郎
21.
日本の子どもは日本の歴史をまともに学んでゆくだけでいい。そうすればまともに育ってゆけます
大江健三郎