1.
我々の大方の苦悩は、あり得べき別の人生を夢想することから始まる。自分の可能性という当てにならないものに望みを託すことが諸悪の根元だ。今ここにある君以外、ほかの何者にもなれない自分を認めなくてはいけない
森見登美彦
2.
「何か自分たちを脅かすものがあるのに、それがどんなシステムで動いているかが分からない」というのが怪談
森見登美彦
3.
自分の小説の「明るさ」と「暗さ」とは、頑張って考えれば同じ根っこから生まれている筈
森見登美彦
4.
イヤなところをほじくっていくのは苦手
森見登美彦
5.
「どういう小説を書くか」ということと、「どういう文章で書くか」ということは毎回くっついているので、自ずと「こういう文章じゃなきゃ『夜行』のような世界は描けない」といった風に文章が決まってきます
森見登美彦
6.
書いているうちに、「ああ、この小説はこう終わるな」という部分が見えてくる。そのゴールに向かって小説を書くことはある
森見登美彦
7.
ハンサムに書けているわけではなくって、泥臭く「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤しながらやっている
森見登美彦
8.
僕は「小説の世界の構造が分かると、終わらせ方もおのずと分かる」という風に思っている
森見登美彦
9.
自分がよく知っていたはずの街が、全然見知らぬ街に見えてくるってどんな感じだろう?
森見登美彦
10.
勢いのある小説だけでは書いていてしんどくなるので、静かな路線も書きたくなるのですが、それもまた書くのが大変で。要はどっちもしんどい
森見登美彦
11.
文章のテンションを抑えて書いている小説は、静かにエネルギーを出しているというか、深く潜っていくという感覚があります。深く潜った先で、自分でもびっくりするようなものを少しずつ探り当てていく
森見登美彦
12.
派手で狂騒的な作品は、まずはエネルギーを注いで小説を膨らますのが大切で、ある途端に自分がエネルギーを注がなくても勝手に飛んでくれる
森見登美彦
13.
腰の据わっていない秀才よりも、腰の据わっている阿呆の方が、結局は人生を有意義に過ごすものだよ
森見登美彦
14.
みんなが不幸になれば、僕は相対的に幸せになる
森見登美彦
15.
かまって欲しいと思うときにはかまってくれず、 放って置いて欲しいときには放って置いてくれないのが世間というものである。
森見登美彦
16.
人生論なんか、ちょっと年食ったオヤジなら誰だって言えるよね
森見登美彦
17.
忙しいって言う人間ほど閑なものだ。閑であることに罪悪感を抱くから、やたら忙しいと吹聴したがるんだね
森見登美彦
18.
世に蔓延する悩み事は大きく二つに分けることができる。 一つはどうでもよいこと、もう一つはどうにもならぬことである。 そして、両者は苦しむだけ損であるという点で変わりはない。
森見登美彦
19.
怒りそうになったら、おっぱいのことを考えるといいよ。 そうすると心が大変平和になるんだ
森見登美彦
20.
男はふだんどんなことを考えているかというと、ろくなことを考えていない。道行く男の4割は阿呆、さらに4割は役立たず、残る2割は変態である。
森見登美彦
21.
教訓を求めるな
森見登美彦