1.
人生は一局の将棋なり、指し直す能わず。
菊池寛
2.
約束は必ず守りたい。人間が約束を守らなくなると社会生活はできなくなるからだ。
菊池寛
3.
人生のどんな隅にも、どんなつまらなそうな境遇にも、やっぱり望みはあるのだ。
菊池寛
4.
不幸のほとんどは、金でかたづけられる。
菊池寛
5.
罠をかける者も卑しい。が、それにかかる者もやっぱり卑しかったのだ。
菊池寛
6.
最善の技術には、努力次第で誰でも達し得る。 それ以上の勝敗は、その人の性格、心術、覚悟、度胸に依ることが多いだろう。
菊池寛
7.
自分より上手だと怯じて(おじて=おびえて)かかると、手も足も出ない。
菊池寛
8.
人の真似をする者は、その真似るものよりは必定劣るものじゃ。そなたも、自分の工夫を専一にいたされよ。
菊池寛
9.
悪妻は百年の不作であるという。 しかし、女性にとって、悪夫は百年の飢饉である。
菊池寛
10.
人への親切、世話は、慰みとしてしたい。義務としては、したくない。
菊池寛
11.
人生に於て何が一番必要であるかと云うことが今更ながら分かった。 生死の境に於ては、ただ寝食の外必要なものはない。
菊池寛
12.
少数の天才や才人だけが創作の権利を壟断した文芸の貴族政治は、過去のものだ。
菊池寛
13.
人といっしょに物を食ったとき、相手が自分よりよっぽど収入の少ない人であるときは、少し頑張ってもこちらが払う。
菊池寛
14.
とにかく勝つ人は強い人である、多く勝つ人は結局上手な人、強い人といわなければならないだろう。しかし、一局一局の勝負となると、強い人必ず勝つとはいえない。定牌を覚えたばかりの素人に負けるかも知れない。
菊池寛
15.
二十五歳未満の者、小説を書くべからず。
菊池寛
16.
恋愛は一時の戯れではない。人生の楽しい道草でもない。感情や気分からやるべきではない。女性にとっては、大切な生活の設計でなければならない。男性が一生の専門なり職業なりを選ぶくらい真剣に相手を選ぶべきである。生活本位以外の恋愛などやってはならない。
菊池寛
17.
来世に希望をつなぐ信仰などよりも、現世をよく生きたということが、安心の種になるのではないかと思う。
菊池寛
18.
そりや君、善は美よりも重大だね。僕には何と云つても重大だね。
菊池寛
19.
人間は生きている間に、充分仕事もし、充分生活もたのしんで置けば、安心して死なれるのではないかと思う。
菊池寛
20.
純文学でも大衆文学でも、人にたくさん読まれるのが、かんじんである。読まれない文芸などは、純文学だろうが何だろうが、結局飛べない飛行機と同じものである。
菊池寛
21.
人を怒る時は先に悪い方を言って後に良い方を言え
菊池寛