1.
無駄をおそれてはいけないし、無駄を軽蔑してはいけない。何が無駄で何が無駄でないかはわからないんだ。
開高健
2.
右の眼は冷たくなければならず、左の眼は熱くなければならないのである。いつも心に氷の焔をつけておくことである。
開高健
3.
明日世界が滅ぶとも、今日君は林檎の木を植える。
開高健
4.
成熟するためには遠回りをしなければならない。
開高健
5.
かくて、われらは今夜も飲む、たしかに芸術は永く人生は短い。しかしこの一杯を飲んでいる時間くらいはある。黄昏に乾杯を！
開高健
6.
二十五歳までの女は自分だけを殺す。三十五歳までの女は自分と相手を殺す。三十五歳以後の女は相手だけを殺す。
開高健
7.
臆病はしばしば性急や軽躁と手を携えるものだが、賢明は耐えること―耐え抜くことを知っている
開高健
8.
自然を温存するためには人間は謙虚にならなければならない
開高健
9.
部屋の中へ籠ってるとどうなるかというと、アムール・プロプルしかなくなってくる。自己愛。俺が、僕が、私が、という小説だけになってしまう。精神がブヨブヨの蒼白な肥満漢の内的独白になっちゃう。自分の足で自分の体重が運べないような蒼白な肥満漢になる。これじゃいけません。
開高健
10.
外国語が読めても外国人のことはわからない。外国語が話せても、わからない。外国に住んでも、わからない。外国人を知るには文学によるしかない。それも一流の文学ではなく、二流の文学である。
開高健
11.
生まれるのは、偶然。生きるのは、苦痛。死ぬのは、厄介
開高健
12.
遠い道をゆっくりと けれど休まずに歩いていく人がある
開高健
13.
文学はファッション・ショウじゃない。古いも新しいもない。進歩も退歩もない。わかりきったことじゃないか
開高健
14.
朝露の一滴にも天と地が映っている
開高健
15.
何かを得れば、何かを失う、そして何ものをも失わずに次のものを手に入れることはできない
開高健
16.
海を愛するのは賢者であり、山を愛するのは聖者である
開高健
17.
人の一生の本質は二十五歳までの経験と思考が決定する
開高健
18.
私は人間嫌いのくせに、人間から離れられない
開高健
19.
顔のヘンな魚ほどうまいものだよ。人間もおなじさ。醜男、醜女ほどおいしいのだよ
開高健
20.
教えるものが教えられるのが、教育の理想である
開高健
21.
大人と子供のちがいは 持っている玩具の値段のちがいだけである
開高健
