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言志四録(佐藤一斎) 珠玉の名言・格言21選

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1.

少にて学べば、則ち壮にして為すことあり。壮にして学べば、則ち老いて衰えず。老いて学べば、則ち死して朽ちず。

少年の時に学んでおけば、壮年になってから役に立ち何事かを為すことができる。壮年の時に学んでおけば、老年になっても気力が衰えることはない。老年になって学んでおけば、ますます見識も高くなり社会に役立つこととなり、死んでからもその名は残る

言志四録

2.

春風を以て人に接し、秋霜以て自ら粛(つつし)む

春風のように軽やかな人に接し、秋霜の厳しさを以って自制する

言志四録

3.

人は少壮の時にあたりては、惜陰を知らず。四十を過ぎて以後始めて惜陰を知る

人は20歳代や30歳代では人生の大切さを知らない。40歳を過ぎて初めてその大切さを知る

言志四録

4.

静を好み動を厭うを懦という。懦は事を了するを能わず。動を好み静を厭うを躁という。躁は物を鎮むるを能わず

静を好み動を厭う者を臆病者という。臆病者は物事を成し遂げることはできない動を好み静を厭う者を軽躁者という。軽躁者は物事を鎮める力はない

言志四録

5.

人を知るは難くして易く、自ら知るは易くして難し。但だ当に諸を夢寐(むび)に徴して以て自ら知るべし。夢寐は自ら欺く能わず

人を知るのは難しいようで易しい。自らを知るのは易しいようで難しいただ自らのことは夢に出るので知ることができる夢は自らを欺くことはできない

言志四録

6.

自らを欺かず。之を天に事うと謂う

自らを偽らない。これを天に事(つか)えると言います

言志四録

7.

誠の物を動かすは、慎独より始まる

誠実さが物事を動かすというが、それは孤独の慎みから始まる

言志四録

8.

権豪に近づきて、名を落とすべからず

権力のある者に近づいて自らの名を落としてはならない

言志四録

9.

世を渉るの道は、得失の二字に在り。得べからざるを得ること勿れ。失うべからざるを失うこと勿れ。此かくの如ごときのみ

世渡りの道は得と失の2字にある。誤った方法で利益は得てはいけない。自らの信念・志のようなものは失くしてはいけない。これが処世術である

言志四録

10.

人の賢愚は初めて見るときにおいてこれを相するに多くを誤らず

立派な人物かどうかは、最初に会った際の面相で判断して間違いない

言志四録

11.

富を欲するの心は即ち貧なり。貧に安ずるの心は即ち富なり

欲には際限がなく、欲する心は貧しい。足るを知ればそれが富である

言志四録

12.

身には老少有りて、心には老少なし気には老少有りて、理には老少なし須く能く老少無きの心を執りて以て老少無きの理を体すべし

言志四録

13.

口舌は人従うことを肯ぜず。躬行は人これに従う。 道徳は人自然二服従し痕跡を見ず

口先だけの人には従うべきでない。行動で示す人に従う。徳識の人には誰もが心服し、服従している意識さえもない

言志四録

14.

天道・人事は、皆漸を以て至る。楽を未だ楽しからざる日に楽しみ、患を未だ患えざるの前に患うれば則ち患免れるべく、楽全うすべし。省みざるべけんや

森羅万象様々な出来事は全て徐々に起こってくるもの。楽しみが来る前に楽しみ、心配事が起こる前に用心しておけば心配事は免れる事ができるし、楽しみは全うすることができる。心に留めておくべきだ

言志四録

15.

凡事を作すは、須らく天に事ふるの心有るを要すべし。人に示すの念有るを要せず

全ての事業を行うには必ず天の意志に従う心を持つべきである。他人に誇示する気持があってはならない

言志四録

16.

聖人は九族を親しむ

聖人は前後九代の先祖に思いを馳せる

言志四録

17.

孔子を学ぶ者は孔子の志を以て志と為すべし

孔子の学問を学ぼうとすれば、孔子の志を自分の志にするべき

言志四録

18.

人主の学は、知・仁・勇の三字にあり

上に立つ者の学問は知・仁・勇の三つにある

言志四録

19.

必ずしも福を干めず、禍無きを以て福と為す。必ずしも栄を希わず、辱無きを以て栄と為す。必ずしも寿を祈らず、夭せざるを以て寿と為す。必ずしも富を求めず、餒えざるを以て富と為す

必ずしも幸福を求める必要は無く、災禍が降りかかってない事を幸福と思えば良い。必ずしも栄誉を希わなくても良く、屈辱をかかなければ栄誉である。必ずしも長寿を祈らなくても良く、若死にしなければ長寿である。必ずしも富裕にならなくても良く。飢えなければ富んでいる

言志四録

20.

小人にして多才多芸の者あり。まさに人の国を乱るに足る

器量の小さい人は才能があっても国を乱すだけである

言志四録

21.

一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うること勿れ、只一燈を頼め

提灯を掲げて暗い夜道を歩む。夜道の暗さを憂うんじゃない。ただひたすらに提灯の一燈を信じて突き進め。

言志四録