1.
仕事と遊び両方とろうよ。生きる喜びとは、自分の楽しみと仕事をどうリンクさせるか、もう、そのことに尽きると思うんです。
北方謙三
2.
戦うことを決めた人間にとって、死ぬまで負けはないよ。途中で負けたって、それは一時的な負けであって、どこかで盛り返してやればいいだけなんだよ。
北方謙三
3.
傑作を書こうとはしないことが大切。傑作を書こうとした瞬間、1行も書けなくなる。真理なんです、これは。
北方謙三
4.
一芸に秀でてみろと昔から言ってきたけど。男を磨くっていうのは、一芸に秀でることしかない。どんな仕事でも、自分なりの方法論を一途に開拓していけば、それなりの生き方になっていく。
北方謙三
5.
40歳になったら、少なくとも「人の言うことは聞くな」と言いたい。「人に相談せずに、自分で考え、自分で決めろ」と。誰がなんといおうと、懸命に自分を生きているかなんです、本物の男になれるかどうかなんていうのは。
北方謙三
6.
いまも休みなく書き続けているんですよ。もっともっと自分を磨こうと。俺にもし美徳というものがあるとすれば、勤勉さだけはあるんじゃないかな。それは勤勉に小説を書けるということだけで、ほかは全然ダメなんだけど、人間は勤勉なものが一つだけあればいい。
北方謙三
7.
その人の創造性を左右するのは、潜在能力にかかっている。いわゆる「火事場の馬鹿力」。その潜在能力を引き出には、もう、ひたすら自分を追い詰めるしかない。
北方謙三
8.
「三国志」を2か月に1巻ずつ出し続けて、そりゃ血反吐を吐くようなペースだったけど、いまこそ作家の人生が試されているような気がしたね。
北方謙三
9.
まだ傑作を書き上げたなんて夢にも思ったことはない。もしそう思ったら、僕は小説家をやめてしまうだろう。
北方謙三
10.
最後は、どれだけ懸命に生きたか。天を動かすぐらい一つのことに立ち向かっていけば、おのずとわかってくるはず。生きるとはどういうことか、生きる喜びとはなにかっていうことも。
北方謙三
11.
俺は、自分に才能があると思ったことは一度もない。才能があるかないかなんて、一生涯仕事して、死んだあとにやっと判断できること。だから、自分に才能があるなんて思ったら、その時点でもうダメだと思う。
北方謙三
12.
水滸伝を書こうとしたのは、人が志を持って生きるとはどういうことなのかに尽きる。とはいえ、そもそも志とはいったい何なのか。果たして人間の幸不幸を志で測ることができるものなのか。僕自身も書きながら、答えを探している。
北方謙三
13.
大事なものを、なくせばいいんです。なくしてから、大事だったと気がつけば。
北方謙三
14.
人生には、座る場所はひとつあればいいんだ。俺は、座って海を眺めるための岩を持ってるよ。それ一ヵ所があれば、充分なんだ
北方謙三
15.
仕事というのは、ただ給料をもらうんじゃなくて、その人の生き方そのものだ。仕事を生きることそのものだと思い定めることができたら、いろんなことが見えてきて、生きることは何なのかということもわかってくるはず。
北方謙三
16.
最近はみんな、説明をし過ぎだね。もっと省略しないと。省略された行間にこそ、いろんな想いが込められるもんなんだ。存在の苦しみとか、人生の悲哀だとかをね。
北方謙三
17.
いつの時代も、変わらないものは、青春だけ。いつも愚かで、一途であればいいという。馬鹿で、純粋でいいんだよ。どれだけ一途で、愚かで、危うい期間を過ごしてきたかで、そいつの人生が決まっていくんじゃないか。
北方謙三
18.
先が見えない下積み時代だったが、ずっと「真実を見よう」とする意志は持ち続けていた。見たかったのは、小説の真実。いい小説とは何か、という問いへの答え。
北方謙三
19.
俺なんか、いまでも真っ白い原稿用紙を前に1字も浮かんでこなくて、10時間も15時間も、ひたすら机に向かって万年筆を握り続けることも少なくない。とくに書き出しの1行目には一番苦しむね。
北方謙三
20.
傑作というのは、無数の駄作のなかから生まれてくるもの。
北方謙三
21.
せっかく小説家になれたんですから、書きたいものは全部書いたほうがいいじゃないですか。
北方謙三