1.
物を作るとはその物に生命を移すこと
吉阪隆正
2.
想像の端緒は発見にある。発見は着目を変えることに始まる
吉阪隆正
3.
地域の問題は、とにかく人の問題が根本。理論よりも組織よりも、土地を愛する一人の人間が現れること。あるいはそう言う人を育て、発見し、盛り上げていくことが肝心だ。やはり愛です。愛がなければ都市はよくなりません
吉阪隆正
4.
オペラ歌手は、恋する心を失ったときに、声が出なくなると言われている。建築家は人類の生活への情熱を失ったとき、一介の技術者となってしまう
吉阪隆正
5.
美しいと言うことは、わかりやすいと言うことです。そして豊かさを含んだものなのです。そうでないと美しいとは言えない
吉阪隆正
6.
今更、建築家の主体性などと叫んでみたってナンセンスである。それよりも人類の各個人の主体性の確保の方が、もっともっと求められているものなのだ
吉阪隆正
7.
雨が降ってきた。バナナの葉を一枚もいで、頭にかざした。雨のかからない空間ができた。バナナの葉は水にぬれて緑にさえている。バラバラと雨の当たる音がひびく。相当な雨らしい。新しい建築とは、こんな風にしてできるのだ。
吉阪隆正
8.
自分の周囲に与えられた可能性の中から、もっとも端的にもっとも単純に、そして完全に要求を充たす方法を探し出すこと。しかも時機を失せずに
吉阪隆正
9.
毎回条件は違うのだから、毎回新しい空間は生み出せるのである。なぜ人々はそれをやらないのだろう
吉阪隆正
10.
建築といわれるものは、最終的には形象として解答されるものである
吉阪隆正
11.
とことんまで法則を探り、真理を求めて、その理に合致しようと言うのが合理と言うことであるのなら、私はやはりその道を歩かねばならぬと思う。
人生はそんなに簡単に割り切れるものではなく、やはり非合理を認めなければならない場合があると教え方に、私は反対する。それはとことんまで法則を探求する努力を怠惰にも捨てた言葉だからだ。
吉阪隆正
12.
住居は個人の自由と集団の利益との境界線の存在であらねばならぬのである
吉阪隆正
13.
日本はいったいどうなのだ。世界に誇れるような廃墟を作っているだろうか。近代文明がやがて滅んでしまったときにも、なお歴史に記録をとどめて、廃墟としてでも後の世に残るようなものを
吉阪隆正
14.
集めることと弘めること、独立を損なわずに統一を与えること、停滞に陥らない安定性、不安に導かれない可能性、2つの矛盾した力、それをそのまま認めつつ、しかも協調を見出すこと、ここに二十世紀後半の課題を解く鍵がある
吉阪隆正
15.
ひとつの面だけを見ていてはわからないけれど、見方を変えると必ず違う価値観がある
吉阪隆正
16.
好きなものはやらずにはいられない。生きるか死ぬかの生命力を賭けて
吉阪隆正
17.
「私はどこにいるのか?」この疑問こそ全ての出発点だ
吉阪隆正
18.
建築の設計は、世界観、人生観にはじまる。それを形姿あるもので表現しなければならぬ
吉阪隆正
19.
われわれにとって、「求めているものはこれだ!」ときめつけることのできるのはいつも形そのものである
吉阪隆正
20.
幸か不幸か、顧みると私は何遍か人生を幼児の所からやり直しさせられた。だから世界をどうとらえてよいのか、いまだに原点にあって、洗練どころの騒ぎではないのである
吉阪隆正
21.
ことばから姿へ 姿がことばに
吉阪隆正