1.
ぼくは自分のやりたいことはドンドンやって楽しむ。楽しんだことは後で後悔しない。
永井荷風
2.
人間の最大不幸は、其の成功を意識した瞬間から始まる。
永井荷風
3.
自覚さえすればどんな生活にだって深い意味が出来る。
永井荷風
4.
同じ食物でも、場所が悪いと食う気になれない。ものをうまく食うには料理よりか周囲の道具立てのほうが肝腎なものです。
永井荷風
5.
日本人は三十の声を聞くと青春の時期が過ぎてしまったように云うけれども、情熱さえあれば人間は一生涯青春で居られる。
永井荷風
6.
子供の楽しみに対する敵はいつでも父か教師である
永井荷風
7.
世間のつまらぬ不平や不愉快を忘れるには学問に遊ぶのが第一の方法である
永井荷風
8.
愛することは、憎むことを知る始めである。
永井荷風
9.
詭弁はよしたまえ。つまらんパラドックスは自分で自分を不幸にするようなものだ
永井荷風
10.
悲哀や苦痛はつまり、楽しい青春の夢をなお楽しく強く味わわせる酒のようなものだ。
永井荷風
11.
その女に捨てられたという時には、多少なりと精神上に傷害を残す位な濃艶に狂激な女が欲しいのです。
永井荷風
12.
どんな女でもいいのです。心底から私を有頂天にさせてくれる、身も世も忘れさせてくれるような女なら、どんな女でもいいのです。
永井荷風
13.
ねぇ、あなた。話をしながらご飯を食べるのは楽しみなものね。
永井荷風
14.
女人は、生活をともにして自分の内側に入らせないかぎり、愛好すべきものなり。
永井荷風
15.
早く結婚しては不可(いけな)い。男の側から世に此上(このうえ)の美人は無いと云う位な人の妻と、其れ程ではない処女(むすめ)とを比較(くら)べて見て、何(いず)れがより強い空想を起こさせるか。男の魔力も其れと同じ事だ
永井荷風
16.
月の光も雨の音も、恋してこそ初めて新しい色と響(ひびき)を生ずる。
永井荷風
17.
花が咲いたら其(そ)れをば二人同じような心持で眺めたい。蝶が飛んだら二人して其れを追いたい。
永井荷風
18.
連日銀行に出なければならないので、此れが何よりもつらい。僕は西洋に居たいばかりに、ふなれなソロバンをはじき、俗人と交際をして居る
永井荷風
19.
つれづれなるあまり余が帰朝以来、馴染を重ねたる女を左に列挙すべし
永井荷風
20.
今にして思い返せば、わが身に定まる妻のなかりしも幸の一なり、妻なければ子孫もなし、子孫なきが故にいつ死にても気が楽にて心残りのすることなし
永井荷風
21.
余死する時葬式無用なり。(略)葬式不執行の理由は御神輿の如き霊柩自動車を好まず、又紙製の造花、殊に鳩などつけたる花環を嫌うためなり
永井荷風