1.
幸福というものは受けるべきもので、求めるべき性質のものではない。求めて得られるものは幸福にあらずして快楽なり。
志賀直哉
2.
金は食っていけさえすればいい程度にとり、喜びを自分の仕事の中に求めるようにすべきだ。
志賀直哉
3.
読んだだけ、聞いただけがただ残っていくという意味の物知りがいる。これは知恵というものにはならない。
志賀直哉
4.
大地を一歩一歩踏みつけて、手を振って、いい気分で、進まねばならぬ。急がずに、休まずに。
志賀直哉
5.
幸福は弱く、不幸は強い
志賀直哉
6.
仕事は目的である。仕事をはっきりと目的と思ってやっている男には、結果は大した問題ではない。
志賀直哉
7.
くだらなく過ごしても一生。苦しんで過ごしても一生。苦しんで生き生きと暮らすべきだ。
志賀直哉
8.
自己嫌悪がないということは、その人が自己を熱愛することのない証拠である。自己に冷淡であるからだ。
志賀直哉
9.
自分を熱愛し、自分を大切にせよ
志賀直哉
10.
素人か玄人かは、その仕事に対する作者の打込み方の相違だ。
志賀直哉
11.
すぐれた人間の仕事、する事、言う事、書く事、何でもいいが、それに触れるのは実に愉快なものだ。
志賀直哉
12.
過去は過去として葬らしめよ。
志賀直哉
13.
科学が無制限に発達するという事が困る。人間の特性というものは、これに伴って、進歩しないものだから。
志賀直哉
14.
一つの考えというものは正しいか正しくないかだけで評価できない。正しい考えであって、しかも一顧の価値さえないものあるし、間違っていても価値を認めないわけにはいかぬ考えというものがある。
志賀直哉
15.
誰にでも天賦はなにかしらある。これをやるために生まれてきたみたいな何かが。なかなか見つからないけど、それを見つけたら、焦ることはない。
志賀直哉
16.
自分に才能を与えてくれるなら、寿命を縮めてもいい。
志賀直哉
17.
心の貧しいことほど、惨めな状態があろうか。
志賀直哉
18.
今の時代では色々なものが非常な進み方をしている。進みすぎて手に負えず、どうしていいか分らずにいる。思想の対立がそれであり、科学の進歩がそれである
志賀直哉
19.
自分にも同じものが何処かにある、それを眼覚まされる。精神がひきしまる。こうしてはいられないと思う。仕事に対する意志を自身はっきり感ずる
志賀直哉
20.
お嫁に行けるような、ひとりまえのからだになった時、女は一ばん美しい。
志賀直哉
21.
人生を解釈する上に非常に便利な思想というものは、その便利さで身を滅ぼす。便利さが新たな努力を麻痺させるからだ。
志賀直哉