1.
「学ぶ」という行為の根底には、自分が大きく育って行くことを感ずる「喜び」がある
小松左京
2.
とにかく、男は一見強そうに見えているがポキッと折れやすい。男は生理的にたいへん無理して生まれてきているみたいなところがある。それに比べて女は生理的にはうんと安定しているんだ。そのうえ女はなかなか折れない柔軟性を持っている
小松左京
3.
人類は、いつも過渡期にある
小松左京
4.
日常性というやつは、まことに偉大なるドブ川であって、大抵のことは洗い流してしまう
小松左京
5.
“夢見ること”は、他の動物にない、人間の特権なのかも知れないな
小松左京
6.
完全犯罪というのは、一種の芸術―それも、完全主義者のみにゆるされる芸術でね
小松左京
7.
理解というものは、しばしば勇気に与えられる
小松左京
8.
年代を超えた人のつながりをもっと強くして、知らないことやおもしろいこと、人間にとって大切なことに接するようにしないと、私たちの世代は子供の好奇心に追いつけません
小松左京
9.
若者の絶望はファッションである。
小松左京
10.
この危機は必ず乗り越えられる。この先日本は必ずユートピアを実現できると思う。日本と日本人を信じている
小松左京
11.
人間は死から人生を前借りしている。眠ることはこの借金に利息をはらいこむことだ。だからよく眠る人間ほど長生きする……
小松左京
12.
笑うという現象は何だろう。攻撃性が転化して昇華したものかもしれないね。だから他人の失敗を見て、他人を滑稽化して笑うんだ
小松左京
13.
ホモ・サピエンスってやつは、どうも、本質的に立派になり切れないところがあるんじゃないかね。どこか卑しく、どこか凶悪で……その意味で、人類は“種”として完全じゃない
小松左京
14.
かつて人々は「地域」あるいは「地域性」を通して世界をながめていた。しかし、大多数の人々が、「世界」または「世界性」を通して、地域を再発見して行く時代が、もうすでにはじまっている
小松左京
15.
人生の深刻が胃をいためるといって、胃弱にならないやつには人生の深刻がわからないから、いい文学が書けないとするのは偏見であって、逆に食うことに関心のない連中には、人生の中のある面に関する洞察が欠落している場合だってある
小松左京
16.
人間は永遠に手いたい試行錯誤によってしか、物事を知ることができないものなのだろうか?
小松左京
17.
だいたい男女間の嘘なんていうのは、求愛行動の変形みたいなもんで、ある程度はしようがない
小松左京
18.
法はかならずしも「万能」じゃないのは当然で、「万能」にしないことによって、逆に「人権」が大幅に守られていることは知らなきゃならん
小松左京
19.
太平洋戦争がなかったら私はSF作家にはならなかったでしょう
小松左京
20.
夏の終わりは、祭りの終わりだ
小松左京
21.
人間というやつは、どんな異常な体験をしたところで、時間さえ経てば忘れてしまう
小松左京