1.
自分に出会えない人生は、他者とも出会えない。
伊丹十三
2.
常識がいまだに常識として生命を保っている。つまりそれが文化というものであろう。
伊丹十三
3.
イヴ・サンローランは20回縫いなおす。天才は19回目でまだ直す目を持っている。
伊丹十三
4.
日本人というのは妙に工夫を凝らしたがる悪い癖がある。
伊丹十三
5.
編集とは、全体のバランスをとりつつ、快適なテンポを作り出すこと。見せるべきものはじっくりと見せながら、全体を現在進行形で押し切ること。
伊丹十三
6.
材料という現実から出発して、架空の「最も映画らしい時間」というものを創り出す
伊丹十三
7.
映画の人生は作られた人生です。作者のいわんとすることを、観客が「体験」できる形に設計したものです。本当の人生と違ってちゃんと答えを持っています
伊丹十三
8.
男のお洒落というのは、本筋、でなくてはならぬ。スタンダードでなくてはならぬ。場違いであってはならぬ、のです
伊丹十三
9.
肝腎なのは、ともかくも一冊の本を読みとおすということであって、理解なぞ二の次でよろしい。一冊の本を読みとおしたものだけが、二冊目に取りかかれる
伊丹十三
10.
一体、男の誇りはどこにあるのか。男ならやせ我慢で押し通すべきではないのか。忍の一字、これがダンディズムというものではないか
伊丹十三
11.
テーマをたてるということは実に厳しいことなのです。一つのテーマをたてるということは、当然なにかの犠牲を伴うわけだ
伊丹十三
12.
時代は進歩しているのであろうか
伊丹十三
13.
人生において、自分がより自分になってゆくことにおいて、初めて他者は「自分ではないけれども別の自分である」ような存在として見えてくる
伊丹十三
14.
「これ見よがし」のスタイルが現れると何の選択の基準もなく、次から次へと手を出す。刺激の強いものでないと、着ている気にならない、という、一種の病気のようなものにみんなが取りつかれている
伊丹十三
15.
恋なんていうものは、そもそも回を重ねるに従って難しくなっていくようにできているのである
伊丹十三
16.
テレヴィジョンの仕事を愛するものにとって本当に喜ばしいことは、テレヴィジョンを見る人が増えることではない。くだらない番組と思えば遠慮なくスイッチを切る人が増えることである。スイッチというのはその為にある
伊丹十三
17.
男を飽きさすまいと思ったら、二人の間に適度の距離を作ることに専念すべきだよ
伊丹十三
18.
優れた舌を持っている人は、これから作ろうとする料理をどういう味にするか、はっきりしたイメージを持っている。イメージがあるから途中の段階でだんだん味を整えてゆくことができる
伊丹十三
19.
僕は以心伝心などというのは信じません。いろいろなことを言葉にして、問題があればこまめに解決していく
伊丹十三
20.
既成概念に一撃加えることで新しいものが見えてくる
伊丹十三
21.
自分の嫌いなものをあれこれ考えるのはとても愉しいことです。美的感覚とは嫌悪の集積である、と誰かがいったっけ
伊丹十三