1.
食器は料理の着物
北大路魯山人
2.
姿・カタチは自然物にかなわない
北大路魯山人
3.
無理をせぬことが芸術の要領であり、健康のための本旨でもあるとするなら、守らねばならぬ。況んや栄達を求めて不自然な要求をしてはならぬ。
北大路魯山人
4.
芸術は計画とか作為を持たないもの、刻々に生まれ出てくるものである。言葉を換えて言うなら、当意即妙の連続である。
北大路魯山人
5.
真の美術家になるためには、飽くなき美術道楽をすることにあると思う。人工美を極めつくした上に、自然美に眼を向け、これに没入すること。人工美だけでは何々流という奴になって、一向に面白くない。前者よりも後者が大切だ。
北大路魯山人
6.
意識を変えるのではなく、具体的な何かを変える
北大路魯山人
7.
いいかね、料理は悟ることだよ、拵えることではないんだ
北大路魯山人
8.
他の人ができることを決してしてはいけません。他の人ができないこと、しないことがあるなら、それをしなさい。
北大路魯山人
9.
料理は自然を素材にし、人間の一番原始的な本能を充たしながら、その技術をほとんど芸術にまで高めている
北大路魯山人
10.
料理というのは、どこまでも理を料ることで、不自然な無理をしてはいけないのであります
北大路魯山人
11.
飽きるところから新しい料理は生まれる
北大路魯山人
12.
低級な人は低級な味を好み、低級な料理と交わって安堵し、また低級な料理を作る
北大路魯山人
13.
すべて本来の持ち味をこわさないことが料理の要訣である
北大路魯山人
14.
富士山には頂上があるが、味や美の道には頂上というようなものはまずあるまい。仮にあったとしても、それを極めた通人などというものがあり得るかどうか
北大路魯山人
15.
ものさえ分かって来ると、おのずから、趣味は出て来るものである。趣味が出て来ると、面白くなって来る。面白くなって来ると、否応なしに手も足も軽く動くものである。
北大路魯山人
16.
人間は純理にのみ生きるものではないということを考えねばならない
北大路魯山人
17.
食道楽も生やさしいものではない。とにかく、かつての日本人の衣食住は、すべて立派であった。国外に遠慮するものあったら、それは間違いだ。
北大路魯山人
18.
書でも絵でも陶器でも料理でも、結局そこに出現するものは、作者の姿であり、善かれ悪しかれ、自分というものが出てくるのであります
北大路魯山人
19.
家庭の温かみというものに縁のなかった僕は、大勢の家族とともに囲む食卓や器というものが、いかに食材を引き立たせるかをしみじみと実感し、「まるで器から出汁がでているようだ」と感じた
北大路魯山人
20.
僕の友達は孤独だ。
北大路魯山人
21.
私の持って生まれた美食道楽がおのずと限りなき欲望を生み、美しく楽しめる食器を要求する。即ち、料理の着物を、料理の風情を美しくあれと祈る。美人に良い衣装を着せてみたい心と変わりはない。この料理の美衣をもって風情を添えることは、他人はどうであろうと、私にはかけがいのない楽しみである
北大路魯山人