1.
人間よりは金のほうがはるかに頼りになりますよ。頼りにならんのは人の心です。
尾崎紅葉
2.
人の幸福の第一は家内の平和だ。家内の平和は何か。夫婦が互いに深く愛するというほかはない。
尾崎紅葉
3.
これから力を合せて勉強して、まずいものを食っても長命して、ただの一冊でも一編でも良いものを書け。おれも七度生まれかわって文章のために尽くすつもりだから
尾崎紅葉
4.
家庭なるものの快楽が十とすれば、寡なくとも其の四は膳の上になければならぬ
尾崎紅葉
5.
富山が財産で誇るなら、僕は彼らの夢想することも出来んこの愛情で争って見せる。
金色夜叉
尾崎紅葉
6.
財は人を迷わすもの
尾崎紅葉
7.
溺るるも水なれば生きるも水なり。
尾崎紅葉
8.
いくら此方で力んだって、天気と疑いばかりは先方からはれるのだ。
尾崎紅葉
9.
お類は彼の生命で、彼の神で、彼はお類の彼であった。
多情多恨
尾崎紅葉
10.
世間に名を成し人々に敬るには、身持と心持とが大事。
尾崎紅葉
11.
色酒の苦き覚えて年行きぬ。
尾崎紅葉
12.
来年の今月今夜、再来年の今月今夜、１０年後の今月今夜のこの月を、僕の悔し涙で曇らせて見せ
金色夜叉
尾崎紅葉
13.
牛肉のロースで飯を食うのと海苔で茶漬けをかきこむのとが一番おいしい
尾崎紅葉
14.
夜具はあるまいな
弟子にしてもらう許可を得るために訪ねた泉鏡花に対し
尾崎紅葉
15.
宮、おのれ、おのれ姦婦、やい! 貴様のな、心変をしたばかりに間貫一の男一匹はな、
金色夜叉
尾崎紅葉
16.
ああ、宮さん、こうして二人が一処にいるのも今夜ぎりだ。
金色夜叉
尾崎紅葉
17.
雀が米を食うのは僅十粒か二十粒、俵で置いてあったって、一度に一俵食えるものじゃない
金色夜叉
尾崎紅葉
18.
月が……曇ったならば、宮さん、貫一は何処かでお前を恨んで、今夜のように泣いていると思ってくれ。
金色夜叉
尾崎紅葉
19.
一生を通して僕は今月今夜を忘れん、忘れるものか、死でも僕は忘れんよ！
金色夜叉
尾崎紅葉
20.
宮は実に貫一に別れてより、始めて己の如何ばかり彼に恋せしかを知りけるなり
金色夜叉
尾崎紅葉
21.
どいつもまずい面だ
最期の言葉。見舞いに来た人々が泣いているのを見て。
尾崎紅葉
