1.
臨場感というのは一番先に消えていくんです。つまり一番説得力はあるけれど、一番賞味期限も短い。
私の場合は、現場に近づかず、遠くの方から見ているので、書いた文章が時間が経てもほとんど変わらない
小田嶋隆
2.
不幸はどこか律儀なところがあって、たいていの場合、悪い予感を抱いている人間の上にふりかかることになっている
小田嶋隆
3.
金のために文章を書く人間をプロと呼ぶのではありません。書いた文章が金になる人間がプロと呼ばれるのです。
小田嶋隆
4.
前向きな言葉に圧迫される人間がいるということを、前向きな人たちはほとんどまったく理解しない。
小田嶋隆
5.
何人か知っている変わり者がいずれもおそろしく歳を取らない人々であることから逆算して考えるに、我々を老化させているのは「同調」なんではなかろうか。
小田嶋隆
6.
「生存競争が人間を強くする」という観察から、いきなり「人は苛酷な環境で育つべきだ」という主張を導き出す人間の内心には、「弱い人間は踏みつけにしてもかまわない」という信念と、それ以上に「生き残ったオレは正しい」という強烈な全能感がある。
小田嶋隆
7.
良い仕事を続けるためにはメンタルの強さとメンタルの弱さを両方持っていないといけない。
小田嶋隆
8.
インテリの人たちって、事実とか科学とか、あるいはちゃんと情報を持ってさえいれば踊らされることはない、そんなふうに思っていたりするのがシャクに触る
小田嶋隆
9.
我々が今現在直面しているのは、「事実がどちらにあるか」ではなく「この恐怖と不安に対してどう対峙するのか」という問題。
不安なのは当たり前なのに、それをバカにするのが許せない
小田嶋隆
10.
「粋」っていうことって、個性もそうですけど、目指したり意識したりすることではなくて、結果として表れること
小田嶋隆
11.
そもそも、意図するということが私は好きじゃない
小田嶋隆
12.
「人間というのは生まれた時は似たようなものだけど、努力次第で格好よくなっていく。」
私はその前提が嫌いなんです。向上したり努力したり啓発されたりというのが嫌
小田嶋隆
13.
好きなことに一所懸命な人って格好いい。嫌いなことなんだけど自分を向上させるために頑張ってるヤツは格好悪い
小田嶋隆
14.
理想論を振りかざす人に対して「頭がお花畑」とか言うじゃないですか。
お花畑、大事ですよ。リアルとされているものだけ、あるいは現実的な着地点の話ばかり流れていますけど、「平和って大事だね」ぐらいのお花畑に一回話を引き戻さないと。
小田嶋隆
15.
こういう時代だから炎上にどう対処するのかも含めて物を書く仕事は成立する。
物を書く人間は社会的生命を失うってことでない限りは、適度に燃えていたほうがいいように思うんですよね(笑)
小田嶋隆
16.
何か困ったときや、苦しいときに公である国が手を差し伸べてくれることが、国が国としてあり、私たちがその国の住人であることの意味じゃないですか。
そこを、まず自助、つまり『転んだら自分で起きろよ』と言うんだったら、その国の住人である必要はありません
小田嶋隆
17.
今の日本には個人主義に対する嫌悪感のようなものが徐々に広まっている。
小田嶋隆
18.
実績があって、ある程度年齢が高く責任感のありそうな人が(オリンピックの)主将になるが、本人に要らぬ重圧を与えている印象を受ける。
小田嶋隆
19.
そもそも、一度や二度、死を考えた経験のある人は少なくないだろう。それでも、自死をしなかった人には『あの時死ななくてよかった』と振り返る機会がありうる。
自死を願う人に死を提供することは、その機会を永遠に奪う、取り返しのつかない行為
小田嶋隆
20.
健康な人の物差しで、病と闘う人生を測ってはならない。
『寝たきりでかわいそう』『さぞやつらいだろう』と上から目線で勝手に推し量り、他人の命の価値や意味を勝手に判定するのはとても暴力的な行為だ
小田嶋隆
21.
クソリプがずいぶん外の空気を入れてくれてるんだと思いますよ。あいつらいなかったら本当にもう、自分だけ気持ちいい変なオヤジになっていきますからね
小田嶋隆