1.
いわゆる十分に力を出す者に限って、おのれに十二分の力があり、十二分の力を出した者が、おのれに十五分の力があることがわかってくる
新渡戸稲造
2.
人間は、それぞれ考え方や、ものの見方が違うのが当然である。その違いを認め合い、受け入れられる広い心を持つことが大切である
新渡戸稲造
3.
真の学問は筆記できるものではない。真の学問は行と行との間にある
新渡戸稲造
4.
武士の教育において守るべき第一の点は品性を建つるにあり
新渡戸稲造
5.
自分の現在の義務を、完全に尽くす者が一番偉いと思う。そして、自分の現在の義務は何であるかを、はっきり認め得る人は、人生の義務と目的とを理解する道に、進むのであろうと思う
新渡戸稲造
6.
信実と誠実となくしては、礼儀は茶番であり芝居である
新渡戸稲造
7.
勇気がある人というのは、心の落着きが姿にあらわれているものです
新渡戸稲造
8.
いかに苦しいことがあっても、ヤケになるのは短慮の極みである。逆境にある人は常に、「もう少しだ」と言って進むといい。やがて必ず前途に光がさしてくる
新渡戸稲造
9.
武士道は知識を重んじるものではない。重んずるものは行動である
新渡戸稲造
10.
夢もまた人生の一部である。夢のない人生はない
新渡戸稲造
11.
目的を勝敗以上の高所に置け。一生の目的を高きに置いてこれを追えば、途中の障害は多いようでも多くないものと思える
新渡戸稲造
12.
人物の価値を測る基準は、人格を重視すべきである。その人のした仕事よりも、その人の性格を重くみることである
新渡戸稲造
13.
善い意味のプライドとは、自分の心を潔く守るように努力することである。悪いプライドは、他を侮り、見下げ、いばることである。本当は持たない者なので、感情的に持つ者をねたんだり、恨んだり、憎んだりするのである
新渡戸稲造
14.
やろうとする意志の深さよりも意志の方向を自分に問え。その方向が心の内に自ら振り返って恥ずかしくないと思うならば、それが成功というべきものではないか
新渡戸稲造
15.
『心にやましい点があるか』と自分を常に振り返り、弱点の末の末まで隠すことはできないことを心得れば大いに気が澄んで来る
新渡戸稲造
16.
それぞれの人格を尊敬しよう。あの人も人である。いや、神である。自分も人である。自分の好まないことは人も好まない
新渡戸稲造
17.
他人にどのような欠点があっても、程度が違うにしても、同じ人間である以上は、自分にも必ずいくぶんの同じ欠点がある
新渡戸稲造
18.
反対の説にも耳を傾ける心を養え。自分の嫌いと思う人の説なり行動なりを、冷静に客観的に考える心を養いたい
新渡戸稲造
19.
親切には法律以上の力がある。親切があって社会ははじめて円滑となり、温か味を添えられる。偽善と思われても親切を外に現わせ。内に親切心はないにしても、外に親切を行為にする。この行為は偽りではない、真である
新渡戸稲造
20.
他を責める前に自己の約束に忠実であれ。第一に自分の職務に忠実であることが欠くことのできない義務である。小さい職務から忠実に果たせ。小さいものに忠実であるものは、大きなものに対しても忠実に果たせるであろう
新渡戸稲造
21.
武士道精神は損得勘定をとらない。むしろ足らざることを誇りにする。
新渡戸稲造