1.
政治は武力や法律ではなく、儒学や徳に基づいて行われるべきだ。役人は行政のプロであるべきだが、それ以前に儒学を修めた有徳の人でなければならない。
貞観政要
2.
もし天下を安定させようとするのなら、まずは自分自身を正さなければならない。国が亡びる原因は、決して外圧ではなく、みなトップ自らの欲望によってその禍根を作ってしまうのだ。
貞観政要
3.
銅を鏡とすれば、衣服や冠を正すことができる。古を鏡とすれば、世の興亡を知ることができる。人を鏡とすれば、善悪を明らかにすることができる。私は常にこの三つの鏡を保持して、自身の過ちを防いできた。
貞観政要
4.
昔、皇帝に諫言した家臣が、罰として処刑されたと本で読んだ。これには嘆息するばかりだ。皆は、ひたすら正しい主張で忌憚なく私に諫言し、政治に役立つようにせよ。強く諫言して私の意に背いたからといって、みだりに責めて処罰したりはしない。
貞観政要
5.
人は大いに学問をしなければならない。私は以前、武力で世を平定するのに忙しく、読書をする余裕がなかった。君臣父子や政治教化の道は、すべて書物の中に記されている。昔の人はこう言っている。「勉強しなければ垣に向かって立っているようなもの(何も見えない)。いざ事に臨んだときにも、心が乱れるばかり」。これはでたらめではない
貞観政要
6.
いうべきことは全ていった。やるべきことは全てやり尽くした。皇帝に無礼を働いた罪で、間違いなく自分は死ぬであろう。しかし自分が死んだ日こそ、聖なる帝国唐のよみがえる日。すなわち自分の志が、不滅の生命を得て新たに生まれる日である
貞観政要
7.
音楽を聴かずとも、狩猟に出かけなくとも、楽しみは、わが内にあるのだ
貞観政要
8.
リーダー自らが善行を積み、徳を重ねる努力をした周は800年続き、逆にリーダーが奢侈を重ねた秦や隋は2代で滅びてしまった。前の轍を踏んではいけない。やはり自らを律することが大切だ。
貞観政要
9.
主君にしっかり仕え、諫めてくれる人材であれば、かつての敵でも区別なく重用すべきである。
貞観政要
10.
政治の要点は人材を得ることにかかっている。優秀な部下がいなければ、強い組織は作れない。
貞観政要
11.
流水の清濁はその源流に存在する。組織の怠慢は、幹部の怠慢である
貞観政要
12.
リーダーは常に謙虚でいなければいけない。リーダーは船、人民や部下は水のようなものだ。水は船を乗せることも転覆させることもできる。また、曲がった木でも道具を使えば真っ直ぐになるように、リーダーも周囲の意見を聞き入れれば聖人になれる。
貞観政要
13.
直属の部下は、自分の右腕として柔軟に動けるようにしておくべきで、雑事に追われているようであれば、仕事を減らしてやらねばならない。
貞観政要
14.
リーダーは平時の際に、有事に備えなければならない。平時だからと言って安穏と暮らしていると、いざという時に柔軟に対応できなくなる。
貞観政要
15.
貪欲な君主は必ず国を滅ぼし、貪欲な臣下はきまって身を破滅させる。
貞観政要
16.
善を行なう者の幸せは長く、悪を行なう者の寿命は短い。
貞観政要
17.
小事だからといって捨ておけば、大事が出来したときにはもはや手のつけようがない。国家が危機に陥るのも、すべてこれが原因である。
貞観政要
18.
喜怒の感情は、賢者も愚者も同じように持っております。しかし、賢者はそれをうまく押さえて、過度に発散させることはしません。ところが、愚者はそれを押さえることができず、結局は身の破滅を招くことになるのです。
貞観政要
19.
人間というのは、側近に人を得るかどうかで、善くもなるし、悪くもなるのだ。
貞観政要
20.
この世の災厄はすべて仁義なきところから生ずる。人々は誰しも災厄から逃れようとするが、そのためには仁義を行なわなければならぬ。だが、それを心掛ける者は少ない。
貞観政要
21.
人を知る者はせいぜい智者の水準であるが、自分を知る者は真に明智の人である。
貞観政要