1.
過去は追ってはならない。未来は待ってはならない。ただ現在の一瞬だけを、強く生きよ
法句経
2.
物事は心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。もしも清らかな心で話したり行ったりするならば、福楽はその人につき従う。影がそのからだから離れないように。
法句経
3.
たとえ、為になることを数多く語るにしても、それを実行しないならば、その人は怠っているのである。牛飼いが他人の牛を数えているように。彼は修行者の部類には入らない。
法句経
4.
若(も)し人寿百歳なるも、最上の法を見ざれば、一日生きて最上の法を見るに如かず。
法句経
5.
恥ずべからざるを恥じ、恥ずべきことを恥じず。かかる人々は邪(よこしま)な見解をいだいて、悪いところ(=地獄)に行く。
法句経
6.
人の生を受くるは難(かた)く、やがて死すべきものの、今、命あるは有り難し。
法句経
7.
我々はこの世において死ぬはずのものであると覚悟しよう。このことわりを他の人々は知っていない。しかし、人々がこのことわりを知れば、争いはしずまる。
法句経
8.
怒りを捨てよ、慢心を除き去れ。いかなる束縛をも超越せよ。名称と形にこだわらず無一物となった者は苦悩に追われることがない。
法句経
9.
智恵にとぼしき愚かなる人は、官能のままにおぼれしたがう。されど心ある人は、上なき財産のごとく、精進を尊び守るなり。
法句経
10.
愚かな者で、自分を愚かだと思う者はまだ賢い。愚かな者で、自分を賢いと思う者は真の愚か者である。
法句経
11.
好ましいことばのみを語れ。そのことばは人々に歓び迎えられる。つねに好ましいことばのみを語っているならば、それによって悪を身に受けることがない。
法句経
12.
怨みを抱いている人々の間にあって、怨むことなく、我等は大いに楽しく生きよう。恨みをもっている人々の間にあって、怨むことなく、我等は暮らしていこう。
法句経
13.
田畑は雑草によりて損なわれ、人は貪欲によりて損なわれる。
法句経
14.
この世において極めて断ち難いこのうずく愛欲を断ったならば、憂いはその人から消え失せる。──水の滴が蓮葉から落ちるように。
法句経
15.
鉄の錆(さび)が鉄から出て鉄自身を喰うように、悪は人から出て人を喰う。
法句経
16.
磐石(ばんじゃく)が風にゆるがざる如(ごと)く、賢人は誹(そし)りと誉(ほま)れの中において動かず。
法句経
17.
荒々しい言葉を言うな。言われた人々は汝に言い返すであろう。怒りを含んだ言葉は苦痛である。報復が汝の身に至るであろう。
法句経
18.
他人を苦しめることによりて己の快楽を求むるものは、怨みの絆にまつわる怨みから免れ得ず。
法句経
19.
戦場において、数千の敵に勝つよりも、自己に勝つものこそ、最上の戦士なり
法句経
20.
耳ある者に甘露の門は開かれたり。己がさかしらの心を捨て去って、清き耳を持つべし。
法句経
21.
ただそしられるのみの人、また、ただほめられるのみの人、過去にもなく、未来にもなく、現在にもない。
法句経