1.
私も君も、一日の価値は一緒だよ
山内桜良
2.
もうすぐ死んでしまう。そんな重大な秘密を、クラス一地味な同級生に知られたのに、彼女はいつもと変わらず笑ってた
志賀春樹
3.
言葉は往々にして、発信した方ではなく受信した方の感受性に意味の全てがゆだねられている。
山内桜良
4.
私たちは皆、自分で選んでここに来たの。偶然じゃない。運命なんかでもない。君が今まで選んできた選択と、私が今までしてきた選択が私たちを会わせたの。私たちは自分の意思で出会ったんだよ。
山内桜良
5.
きっと誰かと心を通わせること、そのものを指して、生きるって呼ぶんだよ
山内桜良
6.
僕は心底呆れる。どうして彼らは多数派の考えが正しいと信じているのだろうか。きっと彼らは三十人も集まれば人も平気で殺してしまうのではないか。自分に正当性があると信じてさえいれば、どんなことでもしてしまうのではないか。それが人間性ではなく、機械的なシステムであることにも気づかずに
志賀春樹
7.
ちょっとくらい間違えたっていいじゃない。がんばって探して見つけた方がうれしいでしょ。宝探しみたいで
山内桜良
8.
好きなのに嫌い、楽しいのにうっとおしい。そういうまどろっこしさが、人との関わりが、私が生きてるって証明だと思う
山内桜良
9.
人に食べてもらうとね、魂がその人の中で生き続けるんだって
山内桜良
10.
僕は本当は、君の膵臓をたべたい
志賀春樹
11.
想いを、僕だけのものから、君に贈るものにする。
志賀春樹
12.
本当にありがとう、あなたのおかげであの子はしっかり生きることができた
山内桜良の母
13.
一番辛いはずの当人が悲しい顔を見せないのに、他の誰かが代わりに泣いたりするのってお門違いだから
桜良の秘密を知ったとき
志賀春樹
14.
お門違いなのは分かっているんです。でもごめんなさい。もう泣いていいですか
桜良の死後、桜良の母の前で
志賀春樹
15.
死ぬまでにやりたいことはあるでしょう?でも今、それをやってないじゃん。私も君も。もしかしたら明日死ぬかもしれないのにさ。そういう意味では私も君も変わんないよ、きっと。一日の価値は全部一緒なんだから。何をしたかの差なんかで、私の今日の価値は変わらない。
山内桜良
16.
もうすぐ死ぬはずなのに、誰よりも前を見て、自分の人生を自分のものにしようとする彼女。世界を愛し、人を愛し、自分を愛している彼女。
志賀春樹
17.
どうせいつかはみんな死ぬんだし。ほら、天国で会おうよ。
山内桜良
18.
どんなに泣いても、届かない。どんなに叫んでも、もう届かない。
志賀春樹
19.
人に興味を持たないから人からも興味を持たれないんだろうね。誰も損してないから僕はそれでよかった。
志賀春樹
20.
死に直面してよかったことといえば、それだね。毎日、生きてるって思って生きるようになった。
山内桜良
21.
知らなかった。誰かに怒りを向けることがこんなに誰かを傷つけるなんて。こんなに自分を傷つけるなんて。
志賀春樹