1.
余命二年と云(い)われたら十数年私を苦しめてきたウツ病が消えた。人間は神秘だ。人生が急に充実して来た。毎日がとても楽しくて仕方ない。死ぬとわかるのは、自由の獲得と同じだと思う。
佐野洋子(絵本作家)
2.
ただ息をしていればいいのかというと、人生の質というものもあるじゃないですか。それを、何よりも命が大事だというのはおかしいですね
佐野洋子(絵本作家)
3.
死ぬということをそう大げさに考える必要はない。自分が死んで自分の世界は死んだとしても、宇宙が消滅するわけでも何でもないんですよね。そうガタガタ騒ぐなという感じはする。
佐野洋子(絵本作家)
4.
わたしは七十になったけど、七十だけってわけじゃないんだね。生まれてから七十までの年を全部持っているんだよ。だからわたしは七歳のわたしも十二歳のわたしも持っているんだよ
佐野洋子(絵本作家)
5.
涙が出ないと自分が不人情かと思ってあせってしまうのが葬式で、うき世のけじめと云(い)うものだ。
佐野洋子(絵本作家)
6.
私はガンになっても驚かなかった。ガンだけ威張るな。もっと大変な病気はたくさんある
佐野洋子(絵本作家)
7.
要するに、自分なんて大した物じゃないんですよね。同様に、誰が死んでも困らないわけ。例えば、いまオバマが死んでも、必ず代わりが出てくるから、誰が死んでも困らないわけですよ。
佐野洋子(絵本作家)
8.
充足というものは誰にとってもほとんど同じ、ぼんやりしたおだやかなものよ。苦しみや不幸というものは、それこそ果てない変化があって、誰も同じではないわ。
佐野洋子(絵本作家)
9.
一生嘘をつかなかった人はこんな形の心を持っているのだろうか。
佐野洋子(絵本作家)
10.
いいかげんなヤツばっかでもくそまじめだけでも世界は完璧にならない。神様はえらい。
佐野洋子(絵本作家)
11.
4歳の時、手をつなごうと思って母さんの手に入れた瞬間、チッと舌打ちして私の手をふりはらった。私はその時、二度と手をつながないと決意した。その時から私と母さんのきつい関係が始まった。
佐野洋子(絵本作家)
12.
捨てられた女って燃えるゴミかね、燃えないゴミかね。… やっぱり燃えるゴミだと思うよ。捨てられたらめらめらと怒りに燃えて、新しい恋に燃えあがる。
佐野洋子(絵本作家)
13.
活字を信じるな、人間は活字になると人の話より信用するからだ。
佐野洋子(絵本作家)
14.
外側や条件で人はわからない。一個一個調べないとわからない。一個一個違うからね、一個一個調べるのよ
佐野洋子(絵本作家)
15.
人はどんな不幸な時も、小さな喜びで生きてゆける。小さな喜びを沢山発見する事は生きる秘訣にちがいない
佐野洋子(絵本作家)
16.
私なんてね、自分の核は何かといったら怒りしかないね。執念深くいつまでも覚えてて、怒ってるの。そういうのを「性質(タチ)悪い」って、世間では言うわね(笑)。でも私、ほんとうに自分を支えてるのは”怒り”だと思う。
佐野洋子(絵本作家)
17.
私は闘病記が大嫌いだ。それからガンと壮絶な闘いをする人も大嫌いだ。ガリガリに痩せて、現場で死ぬなら本望という人も大嫌いである。
佐野洋子(絵本作家)
18.
世の中ってふたつのタイプに分けられちゃうのね。やたらくそまじめと、他人から見るといいかげんなヤツ。世界に男と女がおよそ半分くらいにばらまかれているのと同じに、このふたつのタイプがちょうどいいかげんに分布している
佐野洋子(絵本作家)
19.
ぼうっとしている凡人は、エキスパートが作ったものを、金を出してありがたく使うだけになってしまった。自らは手足を動かさないで。この現代日本で、それらを拒否して生きるのは難しい。
佐野洋子(絵本作家)
20.
男は仕事の話はいくらでもする。共通の目的に向かって、言葉を伝達手段として行使している。しかし年老いて自分の役割が終わると、男達の言語も終わるのである。
佐野洋子(絵本作家)
21.
みっともないことをなりふりかまわずみっともなく出来る能力が愛する能力だと思う。これが難しいのよね。
佐野洋子(絵本作家)











