1.
人に教えられたものは身につかない。自ら探して得られたものだけが自分の力になる
中川一政
2.
人は東西を結ぶ一線と古今を結ぶ一線の交わる一点に生まれる
中川一政
3.
よく生きた者がよく死ぬことができる。それはよく働く者がよく眠ると同じこと。
中川一政
4.
失敗だなんて…傲慢だね。失敗なんかじゃない。あれが…今の君自身君、そのものなんだ。
中川一政
5.
愚かなる者、汝の足元を掘れ、そこには大いなる泉が湧き出す
中川一政
6.
一つ山を登れば、彼方にまた大きな山が控えている。それをまた登ろうとする。力つきるまで
中川一政
7.
肩書が目立って人物にそぐわないというのもあるが、たいていは肩書通りに人間の幅が出来てくるものだ。肩書を与えられると自分で意識しなかった力が出る。
中川一政
8.
反対に肩書がつかないために自分の力を知らずまた自分の力の振る舞いようがなくて一生終わってしまう人もいる。
中川一政
9.
項羽は人間修養をしている。剣にも書にも縛られない。私は項羽の書に期待する
中川一政
10.
今打った手がいまに効いて来る。今は誰にもわからない
中川一政
11.
目の前から消し去って「失敗だ」の一言で安心してしまうなんて安っぽ過ぎる…卑怯すぎる。
中川一政
12.
人間というものは、自分の力があると思い込みすぎると空転してしまうが、ないと思いすぎるといじけてしまう。
中川一政
13.
勉強などというものは、喉が渇いて水を求めるようなもので、渇いていれば身になるし、渇いていないのにはたから無理に飲ませても害になるばかりで身にならない。渇望を待つより他ない
中川一政
14.
生きていなければ駄目だ。水の流れる如くたえず勉強していなくてはだめだ
中川一政
15.
若い時の勉強は何でも取り入れ貯めることである。老年の仕事はいらないものをすてていくことである。すて去りすて去りして純粋になってゆくことである。
中川一政
16.
画の勝負は美しいとか醜いいというかいうものではない。生きているか、死んでいるかが問題だ。美しいようにみえて、死んでいるのがある。みにくいように見えて、生きているのがある。
中川一政
17.
門の中にはいっているのが専門家。はいって出られないのが専門家
中川一政
18.
写実とは見たままを描くことではなく、思ったままを描くことだ
中川一政
19.
上手下手ではなく、絵は生きていなくてはならない
中川一政
20.
いばったって駄目だ。見る人が見ればみな見え透いてしまう。飾ったって駄目だ。嘘をついても駄目だ。無心にその人の力量だけの力を出していけばよい。そういう素直な心が出るだけで書はたのしいのだ
中川一政
21.
牛や馬や鶏は人に飼われている。それは自分で餌食を探さない。 与えられて満足している。
猛獣はそうではない。どうしても満足できず、自分で原野をさまよい出て戦って餌食を得る。始終危険に身をさらしている。
独学の精神とはそういうものである。そうしなければおさまらぬ腹の虫を持っているのが芸術家と思う
中川一政