1.
夢とは、夢を叶えようとする、その人の心意気だ。
松本白鸚
2.
『“ぶる”な。“らしく”しろ』と先輩に言われたことが、忘れられずにいます。名門ぶる老舗にろくな店はないでしょう。ぶるのは自分に自信がない証し。名門だの風格だのといったものに実体はありません。にじみ出たまま、それらしくいることが大事でしょうね
松本白鸚
3.
舞台っていうのは幕が開いてから閉まるまで1人なんです。文字通りそこに生きて、幕が閉まった時、そこで死ぬんです。
松本白鸚
4.
(自分は)アーティストではなくアルチザン(職人)
松本白鸚
5.
歌舞伎座だろうと、金丸座だろうと、ブロードウェイのマーティンベック劇場だろうと、道端だろうと、そこに集まるお客様を感動させなければ、いい役者とは言えない
松本白鸚
6.
役者はだんだん下手になるんだよ。上手くなったと思うのは、馴れからくる錯覚よ
松本白鸚
7.
僕がこれまで、つねに気分よく仕事をすることができて、来年には齢八十になろうというのに初役で『時平(しへい)の七笑(ななわらい)』に挑むことができるのは、ひとえに家内のおかげ
松本白鸚
8.
自分の体の中で芸を熟させるには、どう考え、どういう姿勢で俳優の道を歩んで行ったら良いか、言葉には出しませんでしたが、父はそれを背中で見せてくれました
松本白鸚
9.
歌舞伎役者の体というのは、体験し、勉強し、修行し、感じた事を体の中でお酒のワインのように芳香をつけていくもの
松本白鸚
10.
(ラ・マンチャの男)もう50年以上になります。本当に感無量です
松本白鸚
11.
人が生きていくエネルギーは自分の体と心の中にある、ほかのものは補助エネルギーなんです
松本白鸚
12.
松竹さんより “幸四郎さんと一日替わりで弁慶を” とご提案いただき、覚悟を決めました。私が弁慶の日には、幸四郎が富樫を勤めます。この年齢で、息子と『勧進帳』ができますことを大変うれしく思います。
松本白鸚
13.
歌舞伎は型のあるものです。役者としては、脈々と受け継がれてきた先輩の素晴らしい芸を、何とか受け継ぎたいと死にもの狂いで勤めております
松本白鸚
14.
歌舞伎をお作りになったのは、江戸時代から令和の今日まで綿々と歌舞伎を見続けてくださっているお客様なんです。お客様に勇気、希望、喜びをお渡しするのが役者のつとめ。その一心です
松本白鸚
15.
やっぱり人間は死ぬ気でやらないと事は成せません
松本白鸚
16.
体力や年では息子に負けますが、それを超えたいという思いです。自分に残っているのは台詞と声と芸だけです。いま現在の白鸚の芸で、声で、息子に対抗したいです
松本白鸚
17.
教える時の父(初世白鸚)には無言の圧力がありました。“これが歌舞伎の伝承か” と感じたものです。
松本白鸚
18.
大仏殿の前で勧進帳をやった時、大仏様のお声が聞こえてきまして、『人を喜ばせたり楽しませたりすることはなかなかできることではない、ましてや人を感動させることはできない、そのできないことをおまえは生業としているんだ、おまえは職業にしているんだ、心して励めよ』と
松本白鸚
19.
息子に託す。それが歌舞伎の伝承であり、歌舞伎の歌舞伎たるところではないでしょうか。そこから先は、託された役者とお客様が二人でひとつとなり作りあげていくものです
松本白鸚
20.
回数とか年齢ってあまりピンとこないんです。役者に歳はないものでございまして、いくつになってもその舞台が最高の舞台をお見せしようという気持ち
松本白鸚
21.
私ども役者は覚悟を決め、一所懸命やるだけ。この時世に舞台をやらせていただけるのは、歌舞伎座の表方さん、裏方さん、松竹さん、そしてお客様の力強い応援があればこそで、本当にありがたいことです。
松本白鸚