1.
闇があるから光がある。そして闇から出てきた人こそ、本当に光のありがたさがわかるんだ。
小林多喜二
2.
困難な情勢になってはじめて誰が敵か、誰が味方顔をしていたか、そして誰が本当の味方だったかわかるものだ。
小林多喜二
3.
現実が、今が一番大事なんですよ。「時のデザイン」って僕は言うんだけど、時間は宝物なんですよ。しかし時間というものは自然界にあるもんじゃないんです、人間が作った概念なんです。
小林多喜二
4.
世の中は、幸福ばかりで満ちているものではない。不幸であるから幸福がある。そこを忘れないでくれ。
小林多喜二
5.
本当のことを云えば、そんな先きの成算なんて、どうでもいいんだ。死ぬか、生きるか、だからな
小林多喜二「蟹工船」
6.
たった一人の寝がえりものは、三百人の命を殺すということを知らなければならない
小林多喜二「蟹工船」
7.
ささやかな普通の生活こそが「光」
小林多喜二
8.
おい地獄さ行ぐんだで!
小林多喜二「蟹工船」
9.
資本家は――金利貸し、銀行、華族、大金持ちは、嘘のような金を貸しておけば、荒地は肥えた黒猫のような豊穣な土地になって、間違いなく、自分のものになってきた。
小林多喜二
10.
石ころでも入れておけ、かまうもんか
小林多喜二「蟹工船」
11.
ものを云うだけのぜいたくな「余分」さえ残っていなかった。
小林多喜二「蟹工船」
12.
人間の身体には、どの位の限度があるか、然しそれは当の本人よりも監督の方が、よく知っていた。
小林多喜二「蟹工船」
13.
皆は死ぬことを覚悟した。漁夫は何時でも「安々と」死ぬ覚悟をすることに「慣らされて」いた。
小林多喜二「蟹工船」
14.
「人間の命?」「お前達をどだい人間だなんて思っていないよ」
小林多喜二「蟹工船」
15.
お前なんぞ、船長と云ってりゃ大きな顔してるが、糞場の紙位えの価値もねえんだど。
小林多喜二「蟹工船」
16.
人情味なんか柄でもなく持ち出して、国と国との大相撲がとれるか!
小林多喜二「蟹工船」
17.
蟹工船はどれもボロ船だった。労働者が北オホツックの海で死ぬことなどは、丸ビルにいる重役には、どうでもいい事だった。
小林多喜二「蟹工船」
18.
色よい返事だ? この野郎、フザけるな! 生命にかけての問題なんだ!
小林多喜二「蟹工船」
19.
俺達には、俺達しか、味方が無えんだな。始めて分った。
小林多喜二「蟹工船」
20.
本当の目的は、俺達をウンと働かせて、締木にかけて、ギイギイ搾り上げて、しこたま儲けることなんだ。そいつを今俺達は毎日やられてるんだ
小林多喜二「蟹工船」
21.
公平に云って、上の人間はゴウマンで、恐ろしいことを儲けのために「平気」で謀んだ。漁夫や船員はそれにウマウマ落ち込んで行った。
小林多喜二「蟹工船」