1.
人間が最も生きがいを感じるのは、自分がしたいと思うことと義務とが一致したときだと思われる。
神谷美恵子
2.
仕事というものは、嫌というほどこちらの弱点を、あばき出してくれる
神谷美恵子
3.
ほんとうに生きているという感じをもつためには、生の流れはあまりになめらかであるよりはそこに多少の抵抗感が必要。
神谷美恵子
4.
死に直面した人の心を一番苦しめるものの一つは「果たして自分の人生に意味があったか」ということである。
神谷美恵子
5.
肉体的快楽こそわが生きがいと勘違いして、そのあとを追いまわしたあげく、結局みじめな敗残者としての自己を見出した例は小説にも実世界にも数知れない。
神谷美恵子
6.
他人が自分をけなしても、それで自分の価値が下がるわけでもなく、褒めても自分の価値があがるわけでもない。そもそも自分の価値のあるなしすらわからないのが人間ではなかろうか。ただ自分は自分でしかないのだ。
神谷美恵子
7.
人間の活動のなかで、真のよろこびをもたらすものは目的、効用、必要、理由などと関係のない「それ自らのための活動」である。
神谷美恵子
8.
身をささげるものが何もないというのは、何という欠乏を感じさせるものだろう。幸福とは独立性にあると一見思われるかもしれないが、実際はそのさかさまなのだ。
神谷美恵子
9.
真の愛は他の生命を伸ばそうとするものなのであるから、なんらかの意味で自己の身を削らないですむような愛は、愛という名に値しないといえる。
神谷美恵子
10.
人間がいきいきと生きて行くために、生きがいほど必要なものはない、という事実である
神谷美恵子
11.
私たちにできることは、何か呼び声が聞こえたときに、それにすぐ応じることができるように、耳をすましながら、用意することである。
神谷美恵子
12.
待つというのは未来へむかっている姿勢である。向きさえ、あるべき方向にむかっていればよい。
神谷美恵子
13.
生きているイミというのは要するに一人の人間の精神が感じとるものの中にのみあるのではないか。
神谷美恵子
14.
人間は一つの目標が到達されてしまうと、無目的の空虚さを恐れるかのように、大急ぎで次の目標を立てる。結局、ひとは無限のかなたにある目標を追っているのだといえよう。
神谷美恵子
15.
自分の存在意義を確信し、使命感にあふれるということは、思いあがりとひとりよがりの危険を伴う。
神谷美恵子
16.
小さな自己、みにくい自己にすぎなくとも、その自己の生が何か大きなものに、天に、神に、宇宙に、人生に必要とされているのだ、
神谷美恵子
17.
人間はいろいろな目標を立てるが、ほんとうをいうと、その目標が到達されるかどうかは真の問題ではないのではないか。ただそういう生の構造のなかで歩いていること、そのことが必要なのではないだろうか。
神谷美恵子
18.
結局人間は、自分をどんなに愛してくれる人間がいようとも、その人間よりは、自分の神とまず相談の上でしか、自分の進退はきめられないのだ。決めるべきではないのだ。
神谷美恵子
19.
いったい私たちの毎日の生活を生きるかいあるように感じさせているものは何であろうか。ひとたび生きがいをうしなったら、どんなふうにしてまた新しい生きがいを見いだすのだろうか
神谷美恵子
20.
大きな眼からみれば、病んでいる者、一人前でない者もまたかけがえのない存在であるにちがいない。少なくとも、そうでなければ、私たち自身の存在意義もだれが自信をもって断言できるであろうか。
神谷美恵子
21.
欲望はキリがない。欲しいものを手に入れても、必要なお金を手に入れても、もっともっと、欲しくなる。だから人生の価値基準をお金や名誉にすると、取り返しがつかないことになってしまう。
大切なのは、本当に大切なもの、必要なものは何なのか、何が必要ないのか、自分の基準を持つこと。自分にとって本当に大切なものさえあれば、他の何かが欠乏しても生きていくことができる。あれこれ欲張らず、自分にとって大切なものだけを欲しがること
神谷美恵子