1.
是を是とし、非を非とす、これを知という。
道理があって認めるべきものは認め、道理に合わず認められないものは認めないのが正しい態度である
荀子
2.
義を先にして利を後にする者は栄え、利を先にして義を後にする者は辱(はずか)しめらる
荀子
3.
我に適する者は我を助くる者なり。
荀子
4.
冥々(めいめい)の志なき者は、昭昭(しょうしょう)の明なく、昏昏(こんこん)の事なき者は、赫赫(かつかく)の功なし
人知れず心の中に期する志を抱いて努力を重ねる者でなければ、栄誉が訪れることはなく、人の目につかぬところで黙々たる実践を重ねる者でなければ、輝かしい功績を立てることはできない
荀子
5.
夫(そ)れ学は通(つう)の為に非ざるなり。窮して困(くる)しまず、憂(うれ)えて意(こころ)衰えざるが為なり。禍福(かふく)終始を知って惑わざるが為なり
真の学問というものは立身出世や就職などのためではなく、窮して苦しまず、どんな心配ごとがあってもへこたれず、何が禍いで何が幸福か、どうすればどう終わり、どう終わればどう始まるのかという禍福終始を知って、人生の複雑な問題に直面しても惑わないためである
荀子
6.
人に三不祥あり。幼にして長に事(つか)ふるを肯(がえ)んぜず。賤(せん)にして貴に事ふるを肯んぜず。不肖(ふしょう)にして賢に事ふるを肯んぜず。
人に三つのよくないことがある。幼いのに年長の人につかえようとせず、卑賤なのに貴い人につかえようとせず、愚かなのに賢者につかえようとしない
荀子
7.
人を相するは、古(いにしえ)の人有ること無きなり、学ぶ者は道(い)わざるなり。
人相や骨相など人間の身体的属性によって人物の価値を絶対に評価してはならない
荀子
8.
信を信ずるは信なり。疑を疑うも亦(また)信なり
荀子
9.
終身の楽しみありて一日の憂いなし。
荀子
10.
源(みなもと)清ければ流れ清し。
荀子
11.
君なる者は舟なり、庶人なる者は水なり、水は則ち舟を載せ、水は則ち舟を覆す
荀子
12.
心なる者は形の君にして、神明の主なり
心とは身体を統制する主人であって高度な理性の持ち主である
荀子
13.
近きをもって、遠きを知る。
荀子
14.
道に従いて君に從わず、義に従いて父に従わざるは、人の大行なり
荀子
15.
公(こう)は明(めい)を生ず、偏りは闇を生ず
荀子
16.
迷う者は路(みち)を問わず、溺るる者は遂(あさせ)を問わず。
荀子
17.
遇と不遇とは時なり。
荀子
18.
徳をもって人を支配する者は王たり。力をもって人を支配する者は弱し。富をもって人を支配する者は貧し。
荀子
19.
我を非として当たる者は吾(わ)が師なり。我を是(ぜ)として当たる者は吾が友なり。
荀子
20.
自ら知る者は人を怨まず。
荀子
21.
諸侯(しょこう)、自ら師を得る者は王たり。友を得る者は覇たり。疑を得る者は存(そん)し、自ら謀(ぼう)を為(な)して己に若(し)くなき者は亡ぶ
王たる者は、自分を教え導いてくれる師を持てば天下の王者になれる。自分を諭してくれる友人を持てば覇者となれるし、疑問をぶつけてくれる臣下を持てば国を存続させることができる。しかし、自分ですべてを処理し、臣下を無能呼ばわりするようになったのでは亡びるのも近い
荀子