1.
皆さん、心を一つにして聞きなさい。これが私からの最後の言葉です。
北条政子
2.
私のあの時の悩みは今の静御前の心と同じなのです。義経の多年の愛を忘れて、恋慕しなければ貞女ではありません。
北条政子
3.
子供たちの中でただ一人残った大臣殿(源実朝)を失い、これでもう終わりだと思いました。なぜ尼一人(北条政子自分のこと)が憂いの多いこの世に生きねばならないのか。川に身を投げようとさえ思ったのであります。
北条政子
4.
その御恩は、海よりも深く山よりも高いのです。
北条政子
5.
そこまであなたが安達景盛を討つというならば、まずわたしに矢を射りなさい。
北条政子
6.
尼ほど深い悲しみを持った者はこの世にいません
北条政子
7.
名声を大切にしようと思う者は、足利(藤原)秀康・三浦胤義を討ち取り、源氏三代の将軍(頼朝・頼家・実朝)が遺したものを最後まで守りなさい。ただし、後鳥羽上皇のもとに参ろうと思う者は、今すぐ申し出なさい
北条政子
8.
大姫と頼朝が死んで自分も最期だと思ったが、自分まで死んでしまっては年端も行かぬ頼家が二人の親を失ってしまう。子供たちを見捨てることはできなかった
北条政子
9.
武家の跡取が鹿を獲ったぐらい騒ぐことではない
北条政子
10.
今、皆が京方について鎌倉を攻めることは、大将殿(頼朝)と右大臣殿(実朝)の御墓所を馬の蹄に蹴らせるようなもの。御恩を受けた者がすることではありません。
北条政子
11.
姫御前(長女の大姫)、大将殿(源頼朝)、左衛門督殿(長男の頼家)、右大臣殿(次男の実朝)に先立たれ、四度もの辛い思いをしてきました。
北条政子
12.
故右大将軍朝敵を征罰し、関東を草創してより以降、官位と云ひ俸禄と云ひ、其の恩既に山岳よりも高く、溟渤よりも深し。報謝の志これ浅からんや。
北条政子
13.
今、鎌倉は創設以来の危機です。
北条政子
14.
今度は、権大夫(弟の義時)が討たれることとなれば、五度目の悲しみを味わうことになってしまいます。「女人五障」とはこの事なのでしょうか。
北条政子
15.
速やかに上洛せよ
北条政子
16.
吉野山峰の白雪踏み分けて入りにし人のあとぞ恋しき
吉野山の白雪を踏み分けて山の奥深く入っていってしまったあの人が恋しい
北条政子
17.
しづやしづしずのをたまきをくり返し 昔を今になすよしもがな
静、静、と繰り返し私の名を呼んだあの人が輝かしかった頃に今一度、戻りたいものだ。
北条政子
18.
故右大将軍(頼朝)が朝敵を征伐し、鎌倉に幕府を創って以来、官位といい、俸禄といい、その恩は山よりも高く、海よりも深いもの。感謝の気持ちは浅くないはず。しかしながら、反逆者が事実でない事を訴え、道理からはずれた院宣が発せられた。
北条政子
19.
(源義経の愛妾の静御前が頼朝の怒りを受けたときに、頼朝を宥めるべく政子が語った言葉)暗夜をさ迷い、雨をしのいで貴方の所にまいりました
北条政子
20.
皆心を一にして奉るべし。これ最期の詞なり。
北条政子
21.
景盛を討つと言うならば、まず私を矢で射なさい
北条政子