1.
私が苦しい目に遭うのも、すべて男を好きになった自分の心がいけないからだ
紫式部(『源氏物語』作者)
2.
一燈照隅 万燈照国
一人が自分の身の回りを照らせば、それが万人に広がったとき国全体を照らすようになる。
最澄(天台宗の開祖)
3.
楽と不楽と得と不得と自心能くなす
楽しいか楽しくないか、得か損かは、すべて自分の心が作り出すものだ
空海(弘法大師)
4.
やまとうたは、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける
和歌とは、人の心を種として、さまざまな言葉となって咲き出たものである。
紀貫之(『古今和歌集』撰者)
5.
春はあけぼの。夏は夜。秋は夕暮れ。冬はつとめて。
春は明け方が良い。夏は夜が良い。秋は夕暮れが良い。冬は早朝が良い
清少納言(『枕草子』作者)
6.
ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれなゐに水くくるとは
神々の時代でさえ聞いたことがない。竜田川の水が紅葉で真っ赤に染まり、まるで絞り染めのようになっているとは。
在原業平(六歌仙)
7.
花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせしまに
桜の花の色はすっかり色あせてしまった、むなしく長雨が降っている間に。それにかけて、私の美貌も物思いに時を過ごすうちに衰えてしまった
小野小町(六歌仙)
8.
あらざらむこの世のほかの思ひ出に今ひとたびの逢ふこともがな
もうすぐ私はこの世からいなくなるでしょう。あの世への思い出として、せめてもう一度あなたに会いたいものです
和泉式部(歌人)
9.
この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば
この世は自分のためにあるようなものだと思う。満月に欠けたところがないように、私にも何一つ満ち足りないものはない。
藤原道長(摂政)
10.
海ならず たたえる水の 底までも 清き心は 月ぞ照らさん
海ではなくとも、水を湛えたところの底の底まで、私の清らかな心は、月が照らしてくれるだろう。
菅原道真(学問の神)
11.
後の世も また後の世も めぐりあへ 染む紫の 雲の上まで
(武蔵坊弁慶へ)来世でも、その次の来世でも、必ずまた巡り会おう。紫の雲がたなびく極楽浄土の上でも。
源義経(武将)
12.
大事を思ひはからふ者、物とがめをせず、事ならぬことを事になさず
大きな事を成そうとする者は、些細なことに目くじらを立てず、たいしたことでもないことを大げさに問題にしたりしない。
源頼朝(鎌倉幕府初代将軍)
13.
賀茂河の水、双六の賽、山法師、是ぞわが心にかなわぬもの
賀茂川の氾濫、双六のサイコロの目、比叡山の僧兵の強訴。この3つだけは自分の思い通りにならない
白河上皇(折衝)
14.
有り明けの月だにあれやほととぎすただ一声の行く方も見む
せめて明け方の月でもあれば、ほととぎすがただ一声鳴いて飛び去った方向を目で追えるのに。
藤原頼通(摂政・関白)
15.
無法な行いをする平清盛とその一族を追討せよ
以仁王(後白河法皇の皇子)
16.
夜もすがら契りし事を忘れずは こひむ涙の色ぞゆかしき
一晩中あなたと約束したことを忘れずにいてくれるなら、私を恋しく思って流す涙の色を見てみたいものです。
中宮定子(皇后)
17.
やすらはで寝なましものをさ夜更けてかたぶくまでの月を見しかな
あなたが来ないと知っていたら、ためらわずさっさと寝てしまえばよかったものを。夜が更けて西に傾くまで月を見て待ち明かしてしまいましたよ
赤染衛門(歌人)
18.
いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重ににほひぬるかな
昔、奈良の都で咲いていた八重桜が、今日はこの宮中でいっそう美しく咲き誇っています。
伊勢大輔(歌人)
19.
滝の音絶えて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞こえけれ
滝の水音は途絶えて久しいが、その評判・名声は今もなお世に伝わり聞こえてくる。実体が失われても名声は残る
藤原公任(歌人・政治家)
20.
嘆きつつひとりぬる夜の明くる間はいかに久しきものとかは知る
嘆きながら一人で寝る夜が明けるまでの時間が、どれほど長いものか、あなたにはお分かりにならないでしょうね
藤原道綱母(『蜻蛉日記』作者)
21.
吹く風を 勿来の関と 思へども 道もせに散る 山桜かな
吹く風に対して「な来(勿来=来るな)」という名を持つ関所だと思っていたのに、その風のせいで山桜の花びらが道いっぱいに散り敷いている。
源義家(武将)









