1.
人は新しく生きるために、絶えず告別せねばならない。すべての古き親しき知己から、環境から、思想から、習慣から。
萩原朔太郎
2.
人生ではアマチュアであることが、また1つの職業である。
萩原朔太郎
3.
「真面目になる」ということは、しばしば「憂鬱になる」ということの外の、何のいい意味でもありはしない。
萩原朔太郎
4.
最も親しき友人というものは、常に兄弟のように退屈である。
萩原朔太郎
5.
羞恥心は塩のようなものである。それは微妙な問題に味を付け、情緒をひとしお深くする。
萩原朔太郎
6.
自由とは、自分が「自由である」と信ずるところの、一つの幻覚にすぎないのである。
萩原朔太郎
7.
すべての場合を通じて、恋愛は忍耐である。
萩原朔太郎
8.
社交の秘訣は真実を語らないということではない。真実を語ることによってさえも、相手を怒らせないようにすることの技術である。
萩原朔太郎
9.
幸福人とは、過去の自分の生涯から満足だけを記憶している人々であり、不幸人とは、それの反対を記憶している人々である。
萩原朔太郎
10.
非常な善人と、非常な悪人とは、感じがほとんど同じです
萩原朔太郎
11.
すべての場合を通じて、恋愛は忍耐である。
萩原朔太郎
12.
おもうに人間の感情というものは、極めて単純であって、同時に極めて複雑したものである。
萩原朔太郎
13.
詩は悦ばしいものであるけれど、詩を求める人生は幸福ではない。
萩原朔太郎
14.
懺悔者の背後には美麗な極光がある。
萩原朔太郎
15.
崇高な不徳は讃美される。だが卑陋なけち臭い者共は、どんな事情に於ても許され得ない。
萩原朔太郎
16.
民衆の正義とは、富豪や、資産家や、貴族や、その他の幸福なものに対して、利己的な嫉妬を感ずることである。
萩原朔太郎
17.
どんな真面目な仕事も、遊戯に熱してゐる時ほどには、人を真面目にし得ない。
萩原朔太郎
18.
私が根かぎり精かぎり叫ぶ声を、多くの人は空耳にしかきいてくれない。
萩原朔太郎
19.
人は決して倖(しあわ)せを避けて通る者ではない、花を見ないで道を通ることはできない。
萩原朔太郎
20.
愛を求める心は、悲しい長い疲れの後にきたる。それはなつかしい、大きな海のような感情である。
萩原朔太郎
21.
愛は、その愛するものを独占しようと願っている。しかしながら、愛はそれに成功してしまった後では、競争もなく、嫉妬もなく、退屈で冷めやすいものに変わってくる。
萩原朔太郎