1.
人のこころにも秋の日がくれば思い出すこと多くなりぬ
人は年を取るにつれて、思い出すことが増える
源氏物語
2.
好きになってはいけない女に思いを寄せ、その女も世間で悪く言われ、自分も女から恨まれるのは、一生の傷になる。
源氏物語
3.
あはれなる人といふものは、思ひをこらすといふことなり
深淵な人間とは、自分の感情や思考を深く秘め、自己の内面に向き合う
源氏物語
4.
恋すといふものはもの思ふに似たるかな
恋愛とは、思い悩むことにも似ている
源氏物語
5.
心あてにする方は、見えぬ方こそおぼえめで
人間が信頼する対象は、目に見える部分だけでなく、目に見えない心の持ち主であるべきである
源氏物語
6.
形見がほしかいならさすがにうれくもありけり
何かを形見として欲しいと願う感情が、それだけで愛おしく感じられる
源氏物語
7.
うらゆくものはこころのみ
まわりの環境や人々がどう変わろうとも、一人一人の心の中にある本質的な部分は変わらない
源氏物語
8.
こころもしらず花になるにたえなみ
自分の気持ちでも、無意識のうちに華やかなものや素晴らしいものに引き寄せられてしまう
源氏物語
9.
秋はつらく苦しい季節と承知していますが、この鈴虫の声だけはいつまでも聞いていたい気がします。
源氏物語
10.
何事があっても、夫婦の間に波風立てず穏やかに、夫の浮気などはとっくに気がついているふうにほのめかし、やきもちを焼く場合も、いやみにならないよう、やんわりと話をもってくれば、かえって愛情も増すというもの。たいていは、男の浮気も、女の態度しだいで収まるもんですよ。
源氏物語
11.
人の命はいつか絶えるが、そんな無常の人の世のなかで絶えないのが、私たちの仲だよ。
源氏物語
12.
男女が、いったん深い仲になると、女は男の行動にあれこれ口出しするようになり、逢っていても楽しくなくなるので、男のほうも今までのイメージとは違うような気がしてきて、甘い気持ちが冷めていく。女のほうも、そんな男の態度を愚痴ることが多くなり、初めのころは想像もしなかった別れ話や離婚沙汰が当然のように出てくるものだ。
源氏物語
13.
独身でいると、何か考えがあるのかと世間の人は思うし、それなのに、妙な因縁に引かれ、結局つまらない女と一緒になってしまうのは、頭でっかちの尻すぼまりで、みっともないものだよ。ひどく高望みをしても、思い通りにならず、ものには限度があるのだから、女性にはやたらちょっかいを出さないほうがいい。
源氏物語
14.
生きながらえても、つらい目に遭うに決まっている自分が、死んでしまっても、なにも惜しくはない。親だって、しばらくは嘆き悲しむだろうが、子どもの世話で、自然に忘れてしまうだろう。生きていて身のしまつを誤り、世間の物笑いになって、ふらふらしているのは、死ぬよりもつらいはずだ。
源氏物語
15.
女はその身分によって上中下に分けられる。ただし、没落した上級貴族や成り上がりの中級貴族は中と言えるだろう。
源氏物語
16.
完璧な女というものは存在しない。特に上流階級の女は大切に育てられて欠点が見えにくい。男は女の一部だけを知って、自分の想像で十分補って恋をすることになる。
源氏物語
17.
交際相手としては決して愉快ではないが、しかし、もっとも役に立つのは、敵であろう。それは、敵から最も多くの自分の欠陥を率直に明示され、それを改めるべく強い刺激をうけるからであり、また、敵は大体において、人の弱点について最も正しい判断を持つからである。
源氏物語
18.
容姿端麗で手紙も上手な女は浮気をするからダメ。世話事ばかりで才が無いのはいっしょにいてつまらないからダメ。素直なだけの女も、何も決められずこちらが大変だからダメ。不愛想な女も嫉妬深い女もダメ。家出して気を引こうとするようなメンヘラ女も当然ダメ。
源氏物語
19.
人は誰でも、永遠の別れから逃れることはできないのだ。この世を去る者にとって、後事を託することができるような相手がいてこそ、去りゆく悲しみを静めることができる。
源氏物語
20.
いろんなことを、過去や将来にわたって思い続けると、悲しいことがさまざまに浮かんでくる。
源氏物語
21.
こんな気苦労の多い生活ではなく、のんびりと楽しい結婚生活を送る人も多いでしょうにねえ。
源氏物語