1
君子の楽しみは理想の実現にあり、小人の楽しみは目先の仕事を成すことにある。
(君子は其の志を得るを楽しみ、小人は其の事を得るを楽しむ)
文韜
2.
今日学ばないでおいて、明日も明後日もあるというな。
(謂うこと勿れ、今日学ばずして来日ありと)
古文真宝
3.
君子は何事においても中庸を旨とする。対して、小人は極端な行ないをする。
(君子は中庸をす。小人は中庸に反す)
論語
4.
一国は一人の力によって栄えもし、また亡びもする。
(一国は一人を以て興り、一人を以て亡ぶ)
管仲論
5.
智者は、物事の兆しを早く見破って、これに対処する道を固く守る。
(智者は幾を知りて固く守る)
近思録
6.
流れずに淀んでいるばかりでは水は腐る。人の知識も同様で、運用しなければ直に使い物にならなくなる。
(智は猶お水の如し。流れざるときは則ち腐る)
宋臣名言行録
7.
知っていることは知っているとし、知らないことは知らないと認める。それが、本当に知っているということだ。
(之れを知るを之れを知ると為し、知らざるを知らずと為せ。是れ知れるなり)
論語
8.
たとえ堯帝のような明君が十人いたとしても、冬場には一本の稲穂さえ育てることができない。時節に合わなければ、いかなる人でも力を発揮することはできない。
(天時に非ざれば、十堯と雖も、冬、一穂を生ずること能わず)
韓非子
9.
天の与えたものを受け取らなければ、あとで後悔しても間に合わない。好機は逃さず掴まねばならない。
(天の与うるを取らざれば、悔ゆるとも追うべからず)
三国志
10.
地位を得られないことを思いわずらうよりも、地位につくに足る実力を身に付けるよう努力することだ。
(位なきを患えずして、立つ所以を患う)
論語
11.
たとえ愛していても、その人に悪い点があれば、その点はわきまえていなければならない。反対に、たとえ憎んでいても、その人に長所があるならば、それを見落としてはならない。
(愛すれども其の悪を知り、憎めどもその善を知る)
小学
12.
考えの浅い者とは、重大なことについて相談しても仕方がない。
(豎子、ともに謀るに足らず)
史記
13.
やたらに人と争い競う性質の者とは、物事の是非を語り合うことはしない方がよい。
(争気ある者とは、与に弁ずる勿れ)
荀子
14.
自分が疑いを感じている者を用いてはならない。また、人を用いた以上は、その人を疑ってはならない。
(人を疑いては使う勿れ。人を使うては疑う勿れ)
金史
15.
足の多い虫は、死んでも倒れない。助けの多い者は容易に滅びることはない。
(百足の虫は、死に至るも僵れず)
六代論
16.
一人があれこれに手を出さず、一つの官職、一つの職務に専心するべきである。
(一人、官を兼ねず。一官、事を兼ねず)
韓非子
17.
強い弓を引くのは難しい。同じように、優れた人材を真に使いこなすことは難しい。
(良弓は張り難し)
墨子
18.
力で人を服従させても、服従させられた側は心服してはいない。反抗するだけの力がないから、やむを得ず従っているだけである。
(力を以て人を服する者は、心服に非ざるなり。力贍(た)らざればなり)
孟子
19.
良い時機は得がたく、失いやすいものだ。
(時は得難くして、失い易し)
史記
20.
作戦を立てて実行に移すのは人間のすることだが、その成否は天が決することで人智の及ぶところではない。
(事を謀るは人にあり、事を成すは天にあり)
三国志
21.
仁者たる者は、富貴権勢や美物に接しても、特に喜ぶことはない。また、どんな逆境に置かれても、そのために悲しむこともない。(物を以て喜ばず、己れを以て悲しまず)
岳陽楼記